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SIRVA

SIRVA(ワクチン接種後肩関節障害)とは

SIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)は、ワクチン接種時に誤って肩関節周囲の筋肉や腱に針が刺さることで、炎症や痛み、可動域の制限が発生する状態を指します。本来、ワクチンは三角筋の中央部に注射されるべきですが、誤って肩関節の関節包や腱板に針が到達すると、炎症や損傷を引き起こすことがあります。

SIRVAは比較的まれな合併症ですが、一度発症すると数週間から数か月にわたり痛みが続き、日常生活に影響を与えることがあります。そのため、早期の診断と適切な治療が重要です。

主な症状

ワクチン接種後の持続的な肩の痛み

通常のワクチン接種による痛みは数日で消失するが、SIRVAでは痛みが長期間続く。

肩関節の可動域制限

腕を上げたり、背中に回したりする動作が困難になる。

腫れや熱感

肩の局所的な腫れや熱を伴うことがある。

夜間痛

特に夜間に痛みが悪化し、寝返りを打つ際に痛みを感じる。

日常生活への影響

着替え、髪を結ぶ、物を持ち上げるなどの動作が制限される。

一般的な治療法

消炎鎮痛剤(NSAIDs)の使用

炎症を抑えるために、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの抗炎症薬を服用。

理学療法(リハビリ)

可動域を回復させるために、ストレッチや運動療法を行う。

ステロイド注射

強い炎症がある場合、関節内や肩周囲にステロイドを注射して炎症を抑える。

超音波治療や温熱療法

血流を促進し、炎症を鎮める目的で使用。

手術(まれなケース)

重症の場合や長期間改善しない場合に、関節鏡手術などが検討される。

自分でできる対処法

肩を適度に動かす

無理のない範囲でストレッチを行い、拘縮を防ぐ。

アイシング(冷却)

炎症が強い初期は、氷や冷却パックを使って冷やす。

温める(慢性期)

慢性化した場合は、温熱療法を取り入れ血流を促進。

適切な睡眠姿勢をとる

枕の高さを調整し、肩への負担を減らす。

負担をかけない生活習慣

重い物を持つ動作を避け、肩を無理に使わないようにする。

血管内治療(カテーテル治療)

SIRVAの痛みが慢性化する原因の一つとして、異常な新生血管(モヤモヤ血管)の形成が挙げられます。これらの血管は炎症部位に過剰に増殖し、痛みを感じる神経と絡み合うことで強い痛みを引き起こします。

血管内治療では、カテーテルを用いてこの異常血管を特定し、専用の薬剤を投与して閉塞することで、痛みの原因を直接遮断します。

血管内治療の効果

  • 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで炎症が収まり、組織の回復が促進される。
  • 痛みの軽減 :痛みを伝達する神経と異常血管の接触が減少し、痛みの信号が抑えられる。
  • 可動域の改善 :炎症が軽減されることで肩の動きがスムーズになり、可動域が広がる。
  • 長期的な改善が期待できる :一時的な鎮痛とは異なり、根本的な原因にアプローチすることで持続的な痛みの軽減が可能。

特徴

  • 低侵襲 :カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
  • 即日退院可能 :短時間の治療で、日常生活に早期復帰。
  • ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、痛みの原因を遮断。
  • 持続的な改善 :炎症を抑え、痛みの再発を予防。

血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかったSIRVAの患者にとって、新たな選択肢となる治療法です。

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