仙骨尾骨痛
仙骨尾骨痛とは
仙骨尾骨痛は、仙骨(骨盤の中央にある骨)や尾骨(背骨の最下部にある骨)に痛みが生じる疾患 です。長時間の座位や転倒による外傷、骨盤の歪みなどが原因となることが多く、特に女性に多く見られます。
この疾患は座ると痛みが増すのが特徴 であり、症状が悪化すると歩行時や立ち上がる際にも痛みを感じることがあります。
主な症状
座ったときの痛み
硬い椅子に座ると痛みが強くなる。
長時間座ることで痛みが増す。
立ち上がる際の痛み
座位から立ち上がるときに強い痛みを感じる。
歩行時の違和感
歩行時に尾骨周囲に鈍い痛みを感じることがある。
臀部や下腹部への放散痛
痛みが臀部や下腹部に広がることがある。
骨盤周囲の筋肉の緊張
痛みによって骨盤周囲の筋肉が硬くなる。
主な原因
長時間の座位
デスクワークや長距離運転で尾骨に負担がかかる。
転倒や外傷
尾骨を強く打つことで炎症が発生。
骨盤の歪み
姿勢の悪化や出産による骨盤のズレが影響する。
肥満や体重増加
体重が増加すると尾骨への圧力が高まる。
加齢による関節の変性
加齢とともに尾骨周囲の組織が硬くなり、炎症が起こりやすくなる。
一般的な治療法
薬物療法(鎮痛剤・抗炎症薬)
NSAIDsを使用し、炎症と痛みを軽減。
理学療法(ストレッチ・リハビリ)
骨盤周囲の筋肉をほぐし、柔軟性を高める。
クッションやサポート具の使用
ドーナツ型クッションなどを使用し、座位時の負担を軽減。
神経ブロック注射
痛みが強い場合、ステロイドや局所麻酔薬を使用。
手術(重度の場合)
症状が改善しない場合、尾骨の部分切除を行うことがある。
自分でできる対処法
座るときの工夫
クッションを使い、尾骨への圧力を軽減する。
適度なストレッチと運動
骨盤周囲の筋肉をほぐすストレッチを行う。
温熱療法を活用する
温湿布や入浴で血流を促進し、筋肉の緊張を和らげる。
姿勢を改善する
猫背や骨盤の歪みを避け、正しい座り方を意識する。
体重管理を行う
適正体重を維持し、尾骨への負担を軽減する。
血管内治療(カテーテル治療)
慢性化した仙骨尾骨痛の痛みには、異常な新生血管(モヤモヤ血管)が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因 となっています。血管内治療(カテーテル治療)は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。
血管内治療の効果
- 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
- 血流の正常化 :血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
- 長期的な改善が期待できる :根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。
特徴
- 低侵襲 :カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
- 即日帰宅可能 :治療後すぐに日常生活に戻れる。
- ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
- 再発防止効果が期待できる :炎症を抑えることで痛みの再発を予防。
血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的な仙骨尾骨痛の患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。