外反母趾
外反母趾とは
外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指(母趾)が外側に曲がり、関節の内側が突出する疾患です。
親指の付け根部分(第一中足趾関節)に負担がかかり、炎症や痛みを伴うことが多く、特に女性に多く見られます。
この疾患は、遺伝的要因や靴の影響、歩行のクセなどによって進行しやすく、進行すると靴を履くことが困難になったり、歩行時の痛みが増したりすることがあります。
主な症状
親指の変形
親指が小指側に向かって曲がり、関節が突出する。
関節の痛みや腫れ
靴を履いたときに親指の付け根が圧迫され、痛みを感じる。
進行すると、靴を履いていないときにも痛みが持続する。
足の疲れや歩行困難
長時間の歩行で疲れやすくなり、痛みが増す。
タコやウオノメの発生
親指の付け根や小指の外側にタコやウオノメができやすくなる。
その他の足の不調
進行すると足全体のバランスが崩れ、足底筋膜炎や膝・腰の痛みにつながることもある。
主な原因
ハイヒールや先の細い靴の使用
つま先が狭く、足が圧迫される靴を履くことで悪化しやすい。
遺伝的要因
家族に外反母趾の人がいると、発症リスクが高まる。
偏平足や足のアーチの低下
足の構造が崩れることで親指の付け根に負担がかかる。
歩行時のバランスの乱れ
歩き方のクセや足の筋力低下が影響。
長時間の立ち仕事やスポーツ
足に負担をかける環境が続くと、変形が進行しやすい。
一般的な治療法
靴の見直し
幅広でクッション性のある靴を選び、足への圧迫を減らす。
インソール・足底板の使用
足のアーチをサポートし、親指の負担を軽減。
足のストレッチ・リハビリ
足の筋力を強化し、変形の進行を防ぐ。
装具療法(矯正用サポーター・テーピング)
親指の位置を矯正し、痛みを軽減。
手術(重度の場合)
保存療法で改善しない場合、骨の矯正手術を行うことがある。
自分でできる対処法
正しい靴の選択
つま先が広く、柔らかい素材の靴を選ぶ。
足のストレッチと運動
親指を広げるストレッチや、足の筋力トレーニングを行う。
テーピングやサポーターの活用
親指の位置を調整し、関節への負担を減らす。
体重管理
体重が増えると足への負担が増えるため、適正体重を維持する。
長時間の歩行や立ち仕事を避ける
休憩をとりながら歩行し、足への負担を軽減。
血管内治療(動注・カテーテル治療)
慢性化した外反母趾の痛みには、異常な新生血管(モヤモヤ血管)が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因となっています。
血管内治療(動注・カテーテル治療)は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。
血管内治療の効果
- 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
- 血流の正常化 :血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
- 長期的な改善が期待できる :根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。
特徴
- 低侵襲 :カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
- 即日帰宅可能 :治療後すぐに日常生活に戻れる。
- ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
- 再発防止効果が期待できる :炎症を抑えることで痛みの再発を予防。
血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的な外反母趾の患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。外来でエコー検査を行い重症度により動注またはカテーテル治療が検討されます。