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鵞足炎

鵞足炎とは

鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側にある「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分が炎症を起こし、痛みを引き起こす疾患 です。鵞足は、縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つの腱が集合して脛骨の内側に付着する部分 を指し、ここに負担がかかることで炎症が発生します。

特にランナー、サッカー選手、バスケットボール選手など、膝を酷使するスポーツを行う人に多く発症 し、O脚や膝のアライメント異常がある場合にも発症リスクが高くなります。

主な症状

膝の内側の痛み

特に膝の下部、脛骨内側部に痛みが生じる。

階段の昇降やランニング、しゃがみ込み時に悪化。

圧痛(押すと痛む)

膝の内側、鵞足部分を押すと痛みがある。

膝のこわばりや動かしにくさ

朝起きたときや長時間座った後に膝がこわばることがある。

運動時の痛みの悪化

特に走る・ジャンプする・しゃがむなどの動作で痛みが強くなる。

膝の内側の腫れや熱感

炎症が進行すると腫れや熱を持つことがある。

主な原因

膝の使いすぎ(オーバーユース)

ランニング、ジャンプ、急停止動作を繰り返すことで負担が蓄積。

大腿四頭筋やハムストリングの筋力不足・柔軟性低下

筋力が不足すると膝への負担が増し、炎症が起こりやすくなる。

膝のアライメント異常(O脚・X脚)

膝の角度が正常でないと、鵞足部分に過度な負荷がかかる。

不適切な靴やランニングフォーム

クッション性の低い靴や、膝に負担をかける走り方が影響を与える。

膝の捻じれや骨盤の歪み

身体のバランスが崩れることで、膝内側にストレスが集中。

一般的な治療法

薬物療法(鎮痛剤・抗炎症薬)

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を使用し、炎症と痛みを軽減。

理学療法(ストレッチ・リハビリ)

鵞足周囲の筋肉を柔軟にするストレッチや筋力強化を行う。

フォーム改善

走り方や歩き方を見直し、膝への負担を軽減。

装具療法(インソール・膝サポーター)

O脚やX脚の補正を行い、膝の負担を減らす。

手術(重度の場合)

保存療法で改善しない場合、炎症部分の処置を行うことがある。

自分でできる対処法

適度なストレッチと運動

鵞足部分の筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)のストレッチを行う。

フォームの見直し

走行時の着地方法を見直し、膝に負担をかけないフォームを意識する。

温熱療法を活用する

温湿布や入浴で血流を促進し、筋肉の緊張を和らげる。

アイシング(急性期)

炎症が強い場合は、冷却して痛みを和らげる。

適切なシューズを選ぶ

衝撃吸収性の高いランニングシューズを使用する。

血管内治療(カテーテル治療)

慢性化した鵞足炎の痛みには、異常な新生血管(モヤモヤ血管)が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因 となっています。血管内治療(カテーテル治療)は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。

血管内治療の効果

  • 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
  • 神経の過敏性を抑える :痛みを伝達する神経との相互作用を遮断し、慢性的な痛みを和らげる。
  • 血流の正常化 :血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
  • 長期的な改善が期待できる :根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。

特徴

  • 低侵襲 :カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
  • 即日退院可能 :治療後すぐに日常生活に戻れる。
  • ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
  • 再発防止効果が期待できる :炎症を抑えることで痛みの再発を予防。

血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的な鵞足炎の患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。

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