腰椎分離症とは

腰椎分離症は、腰椎（腰の骨）の一部が疲労骨折を起こし、分離した状態になる疾患 です。特にスポーツをする成長期の若年層に多く見られ、ジャンプやひねる動作が繰り返されることで発症することが多いです。
多くの場合、症状は軽度ですが、放置すると慢性的な腰痛や腰椎すべり症に進行する可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要 です。

主な症状

腰の痛み

• 長時間立っている、座っていると腰が痛くなる。
• 運動後や特定の動作で痛みが強くなる。

姿勢や動作による痛みの増加

• 後ろに反る動作で痛みが悪化する。
• 長時間の歩行や運動で痛みが出やすい。
• 臀部や太ももへの放散痛
• 進行すると臀部や太ももに痛みやしびれが現れることがある。

腰椎の可動域の制限

• 腰を動かしにくくなる。

運動能力の低下

• スポーツ時に違和感を感じることが増える。

主な原因

スポーツや過度な負荷

ジャンプや腰をひねる動作を繰り返すことで、腰椎にストレスがかかる。

成長期の骨の未成熟

成長期の骨はまだ完全に成熟していないため、疲労骨折が起こりやすい。

姿勢の悪化

猫背や反り腰など、不適切な姿勢が腰椎に負担をかける。

遺伝的要因

家族に腰椎分離症の人がいる場合、発症リスクが高まる。

外傷や繰り返しのストレス

転倒や強い衝撃が直接の原因となることもある。

一般的な治療法

薬物療法（鎮痛剤・抗炎症薬）

NSAIDsを使用し、炎症と痛みを軽減。

理学療法（ストレッチ・リハビリ）

腰椎の安定性を高める筋力トレーニングを行う。

装具療法（コルセット）

腰椎を固定し、骨の回復を促す。

運動制限と安静

症状が強い場合は、一時的にスポーツを中止し、安静を保つ。

手術（重度の場合）

症状が改善しない場合、腰椎固定術を行うことがある。

自分でできる対処法

正しい姿勢を意識する

立ち方や座り方を見直し、腰に負担をかけないようにする。

適度なストレッチと運動

腹筋や背筋を鍛えて腰椎の安定性を向上させる。

温熱療法を活用する

温湿布や入浴で血流を促進し、筋肉の緊張を和らげる。

適切な運動量の調整

スポーツやトレーニングの強度を見直す。

適切な寝具を使用する

腰をサポートするマットレスや枕を選ぶ。

血管内治療（カテーテル治療）

慢性化した腰椎分離症の痛みには、異常な新生血管（モヤモヤ血管）が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因 となっています。血管内治療（カテーテル治療）は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。

血管内治療の効果

• 炎症の抑制 ：異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
• 神経の過敏性を抑える ：痛みを伝達する神経との相互作用を遮断し、慢性的な痛みを和らげる。
• 血流の正常化 ：血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
• 長期的な改善が期待できる ：根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。

特徴

• 低侵襲 ：カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
• 即日退院可能 ：治療後すぐに日常生活に戻れる。
• ピンポイントで治療 ：異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
• 再発防止効果が期待できる ：炎症を抑えることで痛みの再発を予防。

血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的な腰椎分離症の患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。