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椎間関節炎

椎間関節炎とは

椎間関節炎は、背骨の椎間関節(椎骨同士をつなぐ関節)に炎症が生じ、慢性的な腰痛や背中の痛みを引き起こす疾患です。特に中高年の方に多く、加齢に伴う関節の摩耗や、姿勢の悪化、過度な運動などが影響して発症します。

この疾患は長時間の座位や立位、特定の動作で痛みが増すことが特徴であり、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。

主な症状

慢性的な腰痛や背部痛

腰や背中の痛みが数週間以上続く。

朝起きたときや長時間同じ姿勢をとった後に痛みが増す。

動作時の痛みの悪化

立ち上がる、体を反らす、ひねるなどの動作で痛みが強くなる。

こわばり感や関節の硬さ

朝起きたときや長時間座った後に腰が固まるような感覚がある。

神経症状(まれ)

椎間関節の炎症が進行すると、神経を圧迫し、足のしびれや放散痛が現れることがある。

主な原因

加齢による関節の変性

椎間関節の軟骨が摩耗し、炎症が発生する。

姿勢の悪化

猫背や反り腰など、不適切な姿勢が椎間関節に過度な負担をかける。

運動不足や過度な負荷

運動不足による筋力低下、または無理なトレーニングが関節への負担を増加させる。

外傷や繰り返しのストレス

事故や転倒、長時間のデスクワークや立ち仕事が影響することがある。

体重増加

体重の増加により腰椎への負担が増し、炎症を引き起こしやすくなる。

一般的な治療法

薬物療法(鎮痛剤・抗炎症薬)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用し、炎症と痛みを軽減。

理学療法(ストレッチ・リハビリ)

腰周りの筋肉を強化し、関節の安定性を向上させる。

装具療法(コルセット・ベルト)

腰への負担を軽減するためのサポーターやベルトを使用。

椎間関節ブロック注射

ステロイドや局所麻酔薬を関節内に注射し、炎症を抑える。

手術(重度の場合)

保存療法で改善しない場合、関節固定術や内視鏡手術を行うこともある。

自分でできる対処法

姿勢を改善する

正しい姿勢を意識し、長時間の座位や前かがみを避ける。

適度なストレッチと運動

腰椎の柔軟性を維持するために、軽いストレッチやウォーキングを行う。

温熱療法を活用する

温湿布や入浴で血流を促し、筋肉の緊張を和らげる。

体重管理を行う

適正体重を維持し、腰への負担を軽減する。

適切な寝具を使用する

腰をサポートするマットレスや枕を選び、睡眠時の負担を軽減する。

血管内治療(カテーテル治療)

慢性化した椎間関節炎の痛みには、異常な新生血管(モヤモヤ血管)が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因となっています。血管内治療(カテーテル治療)は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。

血管内治療の効果

  • 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
  • 神経の過敏性を抑える :痛みを伝達する神経との相互作用を遮断し、慢性的な痛みを和らげる。
  • 血流の正常化 :血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
  • 長期的な改善が期待できる :根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。

特徴

  • 低侵襲 :カテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
  • 即日退院可能 :治療後すぐに日常生活に戻れる。
  • ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
  • 再発防止効果が期待できる :炎症を抑えることで痛みの再発を予防。

血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的な椎間関節炎の患者にとって、新たな選択肢となる治療法です。

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