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ドケルバン病

ドケルバン病とは

ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、手首の親指側にある腱と腱鞘(けんしょう)が炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こす疾患です。
特に、手をよく使う人や、スマートフォンやパソコンを長時間操作する人に多く見られます。

この疾患は、腱鞘の中を通る腱が炎症によって肥厚し、腱の滑りが悪くなることで発症します。
放置すると、手首の動きが制限され、日常生活に支障をきたす可能性があります。

主な症状

親指の付け根や手首の痛み

物をつかむ、持ち上げる、手首をひねる動作で痛みが強くなる。

進行すると安静時にも痛みを感じるようになる。

腫れや熱感

親指の付け根付近が腫れ、熱を持つことがある。

親指を動かすと引っかかる感じ

親指を動かすとカクッと引っかかる感覚や、違和感を覚えることがある。

手首の可動域制限

手首や親指を自由に動かすことが困難になる。

握力の低下

痛みにより、ペットボトルの蓋を開ける、バッグを持つといった動作が難しくなる。

主な原因

指や手首の過度な使用

スマートフォン操作やキーボード作業の繰り返しが負担になる。

育児による負担

赤ちゃんを抱っこする動作で手首に負担がかかる。

加齢による腱の変性

加齢に伴い、腱の弾力性が低下し炎症を起こしやすくなる。

ホルモンバランスの変化

妊娠や更年期にホルモンの影響で発症しやすくなることがある。

外傷や繰り返しの刺激

軽いケガや、手首への繰り返しの負担が炎症を引き起こすことがある。

一般的な治療法

薬物療法(鎮痛剤・抗炎症薬)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用し、炎症と痛みを軽減。

装具療法(サポーター・テーピング)

手首の負担を軽減するため、装具で固定。

理学療法(ストレッチ・リハビリ)

腱の滑りを改善するためのストレッチやリハビリを行う。

ステロイド注射

痛みが強い場合、炎症を抑えるためにステロイドを腱鞘内に注射。

手術(重度の場合)

症状が改善しない場合、腱鞘を開放する手術を行うことがある。

自分でできる対処法

手首を安静にする

痛みがあるときは無理に動かさず、負担を減らす。

アイシング(冷却)

炎症を抑えるため、1回20分程度の冷却を1日に数回行う。

ストレッチ・マッサージ

軽いストレッチやマッサージで、腱の動きを滑らかにする。

負担を減らす工夫

手首の使いすぎを避け、持ち方や作業姿勢を見直す。

温める(慢性期)

慢性化した場合は温熱療法を取り入れ、血流を改善。

血管内治療(動注治療)

慢性化したドケルバン病の痛みには、異常な新生血管(モヤモヤ血管)が関与していることがあり、これが痛みを持続させる原因となっています。
血管内治療(動注治療)は、これらの異常血管を閉塞し、痛みを軽減する最新の治療法です。

血管内治療の効果

  • 炎症の抑制 :異常血管を遮断することで、炎症が収まり痛みが軽減する。
  • 血流の正常化 :血流が適正に保たれることで組織の修復が促進される。
  • 長期的な改善が期待できる :根本的な原因にアプローチすることで、持続的な症状の改善が可能。

特徴

  • 低侵襲 :採血より細い針を使用し切らない治療ため、体への負担が少ない。
  • 即日帰宅可能 :治療後すぐに日常生活に戻れる。
  • ピンポイントで治療 :異常血管を特定し、局所的に治療を行う。
  • 再発防止効果が期待できる :炎症を抑えることで痛みの再発を予防。

血管内治療は、従来の治療法で改善が見られなかった慢性的なドケルバン病の患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。重症の場合はカテーテル治療が望ましいときもあります。

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