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石灰沈着性腱板炎による夜間痛|カテーテル治療で改善した症例

[2025.12.22]

【要点】

半年以上続く石灰沈着性腱板炎による激しい肩の痛みは、
石灰そのものよりも、**炎症に伴って増えた異常血管(モヤモヤ血管)**が
夜間痛や安静時痛を長引かせていることがあります。

本症例では、肩周囲の炎症血管を標的としたカテーテル治療により、
強い夜間痛が改善し、最終的に日常生活に支障のない状態まで回復しました。

症状とこれまでの経過|半年以上続いた夜間痛と生活動作の障害

お正月前から右肩に強い痛みが出現し、
痛みの程度は NRS7〜8/10 と強く、半年以上にわたり夜間痛で眠れない状態が続いていました。

駐車券を取る、腕を上げるといった日常動作にも支障があり、
生活の質(QOL)は大きく低下していました。

整形外科を受診しレントゲン検査を受けましたが、
「軟骨の問題」と説明され、鎮痛薬や湿布のみの保存療法が続き、
注射治療やMRI検査は行われませんでした。

診断|石灰沈着性腱板炎とモヤモヤ血管(炎症血管)の増生

当院受診時、エコー検査を実施。

  • 棘上筋腱の石灰化

  • 上腕二頭筋長頭腱(LHB)周囲

  • 肩前方(RI)

これらの部位に、**炎症により増えた異常血管(モヤモヤ血管)**の明らかな増生を確認しました。

症状の強さ、夜間痛の持続、画像所見を総合的に判断し、
石灰沈着性腱板炎に伴う炎症血管が痛みの主因と考え、
カテーテル治療の良い適応と判断しました。

治療内容|肩のカテーテル治療(TAME:経動脈的微細血管塞栓術)

右肩に対してカテーテル治療を実施しました。

手首の血管から直径約0.6mmの細いカテーテルを挿入し、
異常血管が確認された部位に対して薬剤(チエナム)を注入し、
炎症血管を減らす治療を行いました。

  • 局所麻酔

  • 日帰り治療

  • 手技時間:約40分

身体への負担が少ない低侵襲治療です。

治療後の経過|夜間痛が改善し、最終的にADL制限なしへ

治療直後〜1か月後

  • 肩の可動域が徐々に改善

  • 前方・側方のジンジンした痛みが消失

  • 夜間痛が明らかに軽減

約2か月後

  • 「元の痛みを10とすると2くらい」と表現されるまで改善

  • 安静時痛はほぼ消失

  • リハビリとホームエクササイズを併用

約5か月後

  • 痛みは NRS1〜2/10 程度

  • 日常生活に大きな支障はなくなり、外来通院は終了

  • リハビリ中心のフォローへ移行

その後

  • 生活動作での痛みは消失

  • 可動域制限も改善

  • **「ADL(日常生活動作)に問題なし」**となりリハビリ終了

医師の考察|石灰そのものより「炎症血管」が痛みを長引かせる

石灰沈着性腱板炎は、
石灰の存在=強い痛みではありません。

痛みが長期化し、夜間痛や安静時痛が続くケースでは、
石灰周囲に生じた**炎症血管(モヤモヤ血管)**が
痛みを維持していることが少なくありません。

本症例では、
その炎症血管をカテーテル治療で減らすことで、
保存療法では改善しなかった痛みが大きく軽減し、
手術を行わずに日常生活へ復帰することができました。

まとめ|注射や薬で改善しない肩の痛みに新しい選択肢

半年以上続く強い肩の痛みや夜間痛でお悩みの方でも、
モヤモヤ血管を標的とした**血管内治療(カテーテル治療・動注治療)**で
改善が期待できる場合があります。

現在の痛みにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

・福岡ペインケアクリニック(福岡市博多区中洲川端)

・ながさきハートクリニック(長崎市)で治療を受けられます。

※治療効果には個人差があります。

 

※治療効果には個人差があります。

治療医

坂井 伸彰
(福岡ペインケアクリニック 院長)
モヤモヤ血管(炎症血管)を標的とした
動注治療・カテーテル治療を専門とする。


よくある質問(FAQ)

Q. 石灰沈着性腱板炎があっても、必ず注射や手術が必要ですか?
A. 石灰沈着性腱板炎があっても、必ずしも注射や手術が必要になるわけではありません。
痛みの主な原因が、石灰そのものではなく、炎症によって増えた異常血管(モヤモヤ血管)の場合、
カテーテル治療などの低侵襲治療で改善することがあります。

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Q. 夜間痛が強いのは、石灰が原因なのでしょうか?
A. 夜間痛が強い場合、石灰の存在だけでなく、
その周囲に生じた炎症や異常血管が痛みを長引かせていることがあります。
そのため、画像所見と症状を総合的に評価することが重要です。

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Q. 肩のカテーテル治療は高齢でも受けられますか?
A. 局所麻酔で行う日帰り治療のため、
70代・80代の方でも体の状態に問題がなければ受けられることが多い治療です。

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Q. 効果はどのくらい続きますか?
A. 効果の持続には個人差がありますが、
炎症血管を減らすことで、数か月〜長期間にわたり症状が安定する方もいます。
必要に応じてリハビリや注射治療を併用することもあります。

カテーテル治療(手術)名
経動脈的微細血管塞栓術

治療の説明
足の付け根(鼡径部)や手首から、太さ約0.6mmのカテーテルを血管内に挿入し、
異常な炎症新生血管(モヤモヤ血管)を減らす治療です。
局所麻酔で行い、治療時間は30分〜1時間程度です。

副作用・リスク

  • 挿入部位の内出血(約4%)

  • 造影剤・薬剤によるアレルギー反応(約2%)

  • 治療部位の一時的な疼痛増加(約5%)

費用
143,000〜440,000円(税込)


九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network

福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、
モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。

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