メニュー

国際学会APSCVIR 2026で最優秀口頭演題賞を受賞|五十肩のカテーテル治療を発表しました

[2026.06.15]
国際学会APSCVIR 2026で最優秀口頭演題賞を受賞|五十肩のカテーテル治療を発表しました
🏆 受賞報告・学会レポート

国際学会APSCVIR 2026で最優秀口頭演題賞を受賞|五十肩のカテーテル治療を発表しました

2026年6月|福岡ペインケアクリニック 院長 坂井伸彰
APSCVIR 2026 発表の様子(中国・蘇州)

こんにちは。福岡ペインケアクリニック院長の坂井伸彰です。

2026年6月、中国・蘇州で開催された国際学会「APSCVIR 2026」に参加してきました。今回、五十肩(肩関節周囲炎)に対するカテーテル治療について発表し、大変ありがたいことに最優秀口頭演題賞を受賞しました。

🥇
Best Abstract(Oral)受賞 APSCVIR 2026(アジア太平洋血管内治療学会)
授賞式の様子
受賞直後

この記事では、今回の発表内容・受賞のご報告、そして中国・蘇州での学会の様子をお伝えします。


APSCVIR 2026とは?

APSCVIRは、アジア太平洋地域の血管内治療に携わる医師が集まる大規模な国際学会です。肝臓がんなどの腫瘍治療をはじめ、前立腺肥大症・血管疾患・出血に対する治療など、幅広い分野の発表や議論が行われます。

近年は、膝や肩などの慢性的な痛みに対する血管内治療も、注目テーマのひとつになっています。今回は4日間にわたって開催され、多くの会場でさまざまな発表・講演が行われました。

五十肩に対するカテーテル治療について発表しました

今回の発表テーマは、肩関節周囲炎(五十肩)に対する痛みのカテーテル治療です。

発表タイトル:「肩関節周囲炎に対する血管内治療の、安全性を重視した治療戦略と初期成績」

五十肩では、強い肩の痛み・夜間痛・腕が上がらないといった症状が長期間続くことがあります。一般的にはリハビリや飲み薬・湿布・関節内注射などが行われますが、数か月以上改善しない方もいらっしゃいます。

カテーテル治療では、炎症が長引いている部分に増えた「異常な血管」を血管造影で確認し、その血流を一時的に減らすことで痛みを和らげます。今回の発表では、治療成績だけでなく、安全に行うための具体的なポイントを報告しました。

  • どの血管から治療するか
  • 危険な血管をどのように見分けるか
  • 正常な組織への影響をできるだけ避ける方法
  • 安全性を重視した塞栓方法

新しい治療だからこそ、効果だけでなく、安全に行うための方法を世界の医師と共有することが大切だと考えています。

発表中の様子

最優秀口頭演題賞を受賞しました

発表について、Best Abstract(Oral)=最優秀口頭演題賞をいただきました。受賞の連絡をいただいたときは驚きましたが、これまで取り組んできた治療や安全性への考え方を評価していただけたことを大変うれしく思いました。

表彰式は学会のガラディナー会場で行われ、日本の大学病院や国立がん研究センターなどからの先生方も多数参加されていました。そのような国際的な場で表彰していただけたことは、大きな励みになりました。

また、賞金として300米ドルもいただきました。賞そのものが何よりうれしいのですが、正直にうれしかったです。

今年2回目の演題賞となりました

実は今年に入って演題賞をいただくのはこれが2回目です。2026年2月には日本足の外科学会九州地方会で足底腱膜炎に対する動注治療について発表し、優秀演題賞をいただきました。

足底腱膜炎に続き、今回の五十肩でも賞をいただけたことで、痛みの血管内治療への医学的な評価が少しずつ広がっていることを実感しています。


上海から蘇州へ移動しました

🛬 移動メモ

6月11日夕方に上海到着後、タクシーで蘇州へ直行。距離感は福岡〜長崎くらい。新幹線という手もありましたが、到着時間が読めなかったため、空港からそのままタクシーを選択。おかげで夕食会に無事間に合いました。

海外の先生方との夕食会

蘇州での夕食会には、中国の企業の会長、オクノクリニックの奥野祐次先生、インドネシアの放射線科の先生、南京の放射線科の先生などが参加されていました。

奥野先生は、痛みの血管内治療を世界に先駆けて開発された、この分野を牽引される先生です。私も以前、奥野先生のもとで2年間、動注治療・カテーテル治療について学びました。

国や医療制度は違っても「痛みに困っている患者さんにより良い治療を届けたい」という思いは共通です。会話が盛り上がり、にぎやかで楽しい時間となりました。料理は主に上海料理で、とてもおいしかったのですが、話に夢中になってゆっくり味わえなかったのが少し残念でした。

初日の夕食会(上海料理)
インドネシアの先生方と

会場の広さに驚きました

発表当日の6月12日は、ホテルから歩いて会場へ。到着してまず驚いたのがその規模の大きさです。痛みの血管内治療セッションでは、奥野先生の講演をはじめ、中国・インドネシアで行われている治療の発表も聞くことができました。

  • 変形性膝関節症に対するカテーテル治療
  • 足底腱膜炎に対する血管内治療
  • 慢性前立腺炎に対する血管内治療
  • 前立腺肥大症に対するカテーテル治療

自分が共同著者の論文が紹介されていました

足底腱膜炎の発表を聞いていたところ、発表者の先生が参考文献として引用していた論文の中に、私が共同著者として参加した論文がありました。

その論文は、まず動注治療を行い、十分な改善が得られない場合にカテーテル治療へ進む段階的な治療方法を報告したものです。海外の先生がこの論文を読み、実際の発表で引用してくださっていることを知り、少しうれしく、誇らしい気持ちになりました。論文として情報を残すことの大切さを改めて感じました。

奥野先生(真ん中)と、私の活動をサポートしてくれているMLI社長の小松さん(左)

中国では1日に約20例の膝治療を行う施設も

南京の先生とのお話では、変形性膝関節症のカテーテル治療を1日に20例近く行う日もあると聞きました。日本の感覚からすると非常に多い症例数です。

一方で、症例数が増えるほど安全性の確保・治療方法の標準化・治療成績の検証が重要になります。今後は日本・中国・韓国・インドネシア・ヨーロッパなど世界各国の医師が情報を共有し、より安全で適切な治療方法が確立されていくと思います。

学会の合間に立ち寄った、ミシュラン受賞の蘇州麺

痛みの血管内治療を正しく届けるために

痛みの血管内治療は、日本でもまだ十分に知られている治療ではありません。また、すべての痛みに効果があるわけではなく、症状や原因によっては別の治療が適していることもあります。

だからこそ、以下のような情報を患者さんに分かりやすく・正確に伝えることが大切だと考えています。

  • どのような患者さんに向いているのか
  • どのような場合には向いていないのか
  • どの程度の効果が期待できるのか
  • どのような副作用やリスクがあるのか
  • 一般的な治療との違いは何か

今回の国際学会では、世界各国から新しい研究や治療成績が報告されていました。海外の最新情報を学ぶだけでなく、私自身も日本で行っている治療や安全性への取り組みを、世界に向けて発信し続けたいと考えています。

まとめ

今回、アジア太平洋地域を代表する国際学会で、五十肩に対する痛みのカテーテル治療について発表し、最優秀口頭演題賞をいただくことができました。

これまで支えてくださった先生方、スタッフ、治療に協力してくださった患者さんに、心より感謝申し上げます。

今回の受賞は一つの通過点です。これからも国内外の最新情報を学び、安全性を重視した治療を続けていきます。長引く痛みに悩んでいる患者さんに、新しい治療の選択肢を正しく届けられるよう、診療・研究・情報発信に取り組んでまいります。

今後とも、福岡ペインケアクリニックをよろしくお願いいたします。

※治療の効果や経過には個人差があります。すべての方に同じ効果を保証するものではありません。診察のうえ、症状や検査結果に応じて適切な治療方法をご提案します。

よくある質問

五十肩にもカテーテル治療ができますか?
リハビリや注射、飲み薬などの一般的な治療を行っても強い痛みや夜間痛が長期間続く場合には、治療の選択肢となることがあります。ただし、すべての五十肩が対象になるわけではなく、診察や画像検査などを踏まえて判断します。
痛みのカテーテル治療は入院が必要ですか?
当院では、基本的に日帰りで行っています。治療後は一定時間安静にしていただき、出血などの問題がないことを確認してから帰宅します。
治療後すぐに痛みがなくなりますか?
効果の現れ方には個人差があります。治療直後から変化を感じる方もいますが、一般的には数週間から1〜2か月程度かけて徐々に変化が現れることがあります。
カテーテル治療には副作用がありますか?
針を刺した部分の痛み、皮下出血、腫れ、治療部位の一時的な違和感などが起こる場合があります。まれな合併症も含め、治療前に詳しくご説明します。
坂井 伸彰(さかい のぶあき) 福岡ペインケアクリニック 院長
五十肩・膝・足底腱膜炎などの難治性疼痛に対して地元九州で動注治療・カテーテル治療を行っている。

九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network

福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、
モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME