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オスグッド病にカテーテル治療を行い痛みの軽減を認めた一例

[2026.07.23]

10代・男性、サッカーをきっかけに発症した右膝オスグッド病に対し、他院での半年間のリハビリでも運動時痛が残存したため、福岡ペインケアクリニック(福岡市)でカテーテル治療を受けた症例。治療約2週間後より効果を実感し、約1か月後には安静時・歩行時の疼痛消失およびジョギング時の疼痛消失を認めた。

患者情報

年代・性別 10代・男性
主訴 右膝前面(脛骨粗面部)の痛み:走行時・走り出し・切り返し動作で増悪、歩行時は痛みなし
診断 オスグッド病(右膝)
罹病期間 約6か月〜1年
初診時の痛み NRS 5 / 10(0=痛みなし〜10=想像しうる最大の痛み)
これまでの治療 他院整形外科にてオスグッド病と診断され、約半年間リハビリを継続するも運動時痛の改善乏しく
実施した治療 カテーテル治療〈経動脈的微細血管塞栓術〉 1回

来院までの経緯

サッカーをきっかけに右膝前面の痛みを発症し、約6か月〜1年が経過していた。走行・走り出し・切り返しといったサッカー特有の動作で強い痛みが生じる一方、歩行時には痛みを認めなかった。他院整形外科でオスグッド病と診断を受け、約半年間にわたってリハビリを継続したが、運動時痛は残存し、競技への復帰が困難な状況が続いていた。

診察と診断

診察では右膝脛骨粗面部に圧痛を認め、初診時の疼痛NRSは5であった。超音波検査(エコー)では、右膝脛骨粗面部に骨表面の不整(段差)を認め、靭帯牽引による骨の腫脹および剥離傾向が確認された。加えて、同部位に炎症性の異常血流(モヤモヤ血管)が著明に認められた。左膝には同様の所見は認めなかった。これらの所見から、右膝オスグッド病に伴う病的血管新生が疼痛の一因と判断し、カテーテル治療の適応ありと診断した。

超音波検査(エコー)で確認された炎症性の異常血流(モヤモヤ血管)。右膝脛骨粗面部に著明な血流の流入が認められた。

治療内容

カテーテル治療は、手首または足の付け根の動脈から極細のカテーテルを進め、痛みの原因となる異常な血管(モヤモヤ血管)を選択的に塞栓する日帰りの治療です。局所麻酔で行い、所要時間は約40〜60分です。

初診翌日、足の付け根から局所麻酔下で極細カテーテルを挿入し、超音波検査で確認されていた右膝脛骨粗面部周囲の異常な血管(モヤモヤ血管)に対してカテーテル治療を実施した。術中の血管造影により、膝下方からの血管が主たる炎症血管であることが確認された。抗菌薬および吸収性の粒子製剤を用いて異常血管を選択的に塞栓し、治療時間は約30分で終了した。止血・安静を含めた院内滞在時間は約4時間であり、日帰りでの治療が可能であった。

治療前の血管造影画像(側面像)。膝下方からの炎症性異常血管(モヤモヤ血管)が確認される。
治療直後の血管造影画像。塞栓により異常血管への血流が途絶したことが確認された。

治療後3週間は痛みを誘発する動作を避けるよう指導した。サポーターの装着継続、および大腿四頭筋とハムストリングスのバランストレーニングを指導した。約1か月後の再診時に運動フォームの見直し(軸足を前方に置き膝屈曲位での動作を避ける)と大腿四頭筋ストレッチの継続を改めて指導し、患部近位部に限定した範囲での筋膜リリースを整骨院で行う方針とした。

カテーテル治療を行う治療室。X線透視装置を用いて血管の状態を確認しながら治療します。

治療後の経過

痛みの変化(初診時の痛みを10とした場合・患者申告)

初診時●●●●●●●●●●基準(10)
約2週間後
約1か月後○○○○○○○○○○10割改善

※ 数値は本症例における患者申告値です。効果には個人差があります。

再診時、今後の運動強度増加に伴う症状再燃に備え、動注治療(外来・局所麻酔不要・約3分の注射による治療)を追加選択肢として説明した。術中の血管造影で膝下方からの血管が主たる炎症源であることが判明しており、再燃時には当該血管を標的とした動注治療が有効と考えられる。

担当医コメント

DOCTOR'S COMMENT

オスグッド病は成長期に大腿四頭筋の牽引力が脛骨粗面部に集中することで生じる骨軟骨障害であり、安静やリハビリだけでは炎症が遷延し、復帰時期の見通しが立たないケースが少なくありません。本症例では超音波検査により患部への著明な炎症性血流の流入が確認されており、カテーテル治療によってその血流を断つことで疼痛の軽減につながったと考えています。治療約2週間後から効果の実感が得られ、約1か月後には圧痛・運動時痛ともに軽減を認めた経過は、時間的制約のある状況においても治療選択肢の一つとなり得ることを示しています。なお、骨の変形(離断)は残存するため、再発予防のためのフォームや筋柔軟性の管理は治療後も継続することが重要です。半年以上リハビリを続けても運動時痛が残り、復帰の目途が立たずにお悩みの成長期アスリートとそのご家族は、一度ご相談ください。

本治療について(自由診療に関する事項)

治療名
カテーテル治療〈経動脈的微細血管塞栓術〉/動注治療
保険適用
本治療は自由診療(保険適用外)です。
費用の目安
カテーテル治療 288,600〜440,000円(税込)
動注治療 25,300〜41,800円(税込)
※いずれも部位・片側/両側により異なります。学生は半額です。詳細は料金表をご確認ください。
標準的な回数・期間
カテーテル治療は多くの場合は1回で、症状に応じて追加治療(注射や動注治療)を検討します。
動注治療は2〜3回程度です。
主なリスク・副作用
穿刺部の内出血・皮下血腫、一時的な痛みの増強や皮膚の色調変化、感染、造影剤・薬剤に対するアレルギー反応などが生じる場合があります。
効果について
掲載内容は当院で実際に行った治療の一例です。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。適応の可否は診察のうえ個別に判断いたします。

この記事の監修

坂井 伸彰 / 福岡ペインケアクリニック 院長・ながさきハートクリニック

運動器カテーテル治療(MSK-IVR)を専門とし、国内外の学会で発表・論文報告を行う。痛みの血管内治療の実績は2,500例を超える。

院長の経歴・学術実績を見る →

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本ページは当院で実際に行った治療の一例であり、効果には個人差があります。すべての方に同様の結果を保証するものではありません。カテーテル治療(288,600〜440,000円・税込)・動注治療(25,300〜41,800円・税込)は自由診療(保険適用外)で、費用はいずれも部位・片側/両側により異なります。詳細は料金表をご確認ください。治療には穿刺部の内出血・皮下血腫、一時的な痛みの増強、感染、造影剤・薬剤に対するアレルギー反応等のリスクを伴う場合があり、適応の可否は診察のうえ個別に判断いたします。

よくあるご質問

オスグッド病でリハビリを続けているのに運動時の痛みが残っています。カテーテル治療はどのような場合に検討されますか?

安静やリハビリを一定期間継続しても運動時痛が残存し、競技復帰の見通しが立たない場合に選択肢の一つとして検討される場合があります。超音波検査で患部への炎症性血流の流入が確認されるケースで適応が検討されることがあります。効果の出方や適応の判断は症状・検査所見によって個人差がありますので、まずは専門医への相談をお勧めします。

カテーテル治療を受けてから、どのくらいの期間で効果を実感できますか?

効果を実感し始めるまでの期間には個人差があり、治療から数週間後に変化を感じ始める場合があります。安静時・歩行時・ジョギング時といった動作ごとに疼痛が段階的に軽減していく経過をたどる場合があります。競技への本格復帰については、症状の経過や超音波検査での確認を踏まえながら段階的に計画することが一般的です。

カテーテル治療に保険は使えますか?

当院のカテーテル治療は自由診療となり、健康保険の適用外です。ただし、自由診療であっても医療費控除の対象となる場合があり、確定申告の際に申請できる可能性があります。詳細な費用や手続きについては受診時にご確認ください。

カテーテル治療を受けた後も、オスグッド病が再発する可能性はありますか?

カテーテル治療によって炎症性血流の改善が得られた後も、骨の変形(骨軟骨の変化)が残存する場合があります。成長期は大腿四頭筋の牽引力が脛骨粗面部にかかりやすい状態が続くため、治療後も筋の柔軟性管理やフォームの見直しを継続することが再発予防につながる場合があります。競技復帰後のセルフケアや経過観察の継続が重要とされています。


九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network

福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、
モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。

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