肩関節周囲炎(五十肩)
肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)
夜間痛・拘縮・長引く肩の痛みに
腕が上がらず着替えができない——五十肩の長引く痛みには、「モヤモヤ血管」という異常な炎症性血管が深く関わっており、湿布や注射が「一時的にしか効かない」のは、この血管が痛みを出し続けているためです。
当院では、モヤモヤ血管を血管の内側から直接減らすカテーテル治療を行っています。日帰り・局所麻酔で、翌日から日常生活に戻れる低侵襲な治療です。
- 慢性化すると自然治癒が難しくなる。放置すると「肩が上がらないまま固まる」拘縮に移行するリスクがあります。
- 難治性の夜間痛・長引く痛みの正体はモヤモヤ血管。炎症に伴い増えた異常血管が神経を引き込み、痛みが慢性化します。
- カテーテル治療(TAME)が当院のメインアプローチ。ステロイド注射(ステロイド注射)も6,600円で対応可能。患者さんの状態に合わせて柔軟にご提案します。
- 最新エビデンスで1週間以内に67%・1ヶ月以内に87%が夜間痛改善、重大合併症ゼロ。(Okuno Y. et al., J Vasc Interv Radiol. 2017)
- 局所麻酔・日帰り・ステロイド不使用。入院不要で体への負担が少ない低侵襲治療です。
① 肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)とは、肩関節を包む「関節包」や周辺の腱・滑液包に慢性炎症が生じ、夜間痛・安静時痛・可動域制限(拘縮)が数ヶ月から数年にわたって続く疾患です。40〜70代に多く、日本での有病率は約2〜5%とされています。
慢性炎症が「治らない痛み」を作るメカニズム
最初は軽い炎症でも、繰り返すうちに関節包が厚く硬くなります。そこに異常な血管(モヤモヤ血管)が新たに生え、神経線維を引き込みながら炎症信号を持続的に発信——これが「治ったと思ったら再び痛む」繰り返しの正体です。
左:炎症ありの肩(血流増加=モヤモヤ血管あり) 右:健常側
従来の治療(湿布・注射・リハビリ)は痛みを外から抑えるアプローチです。当グループの動注治療・カテーテル治療は、モヤモヤ血管を血管の内側から直接減らすことで、痛みの発生源に働きかけます。
② 症状・セルフチェック
肩関節周囲炎の症状は大きく「痛み」と「動きの制限(拘縮)」の2つです。特に夜間痛は患者さんを最も苦しめる症状で、睡眠の質が低下し、日中の疲労・集中力低下へと連鎖します。
寝返りを打った瞬間にズキッ。痛い方の肩を下にできず何度も目が覚める。「肩の奥がじわじわ疼く」感覚が朝まで続くことも。
洗濯物を干す・吊革をつかむ・頭上の棚に手を伸ばす動作で鋭い痛みが走り、途中で力が抜ける。以前より可動域が明らかに狭い。
袖に腕を通す・ブラジャーのホックを留める・エプロンの紐を後ろで結ぶ——毎朝の動作が小さな試練になっている。
髪を結ぶ・背中を洗う・後部座席のものを取る動作で「あっ」と声が出る。利き手が使いにくく仕事・家事のスピードが落ちる。
ステロイド注射で一時的によくなるが数週間でまた痛みが戻る。「3回目の注射」を検討しているが先が見えない不安がある。
くしゃみや不意に腕が動いた瞬間、電気が走るような激痛。このため動かすのが怖くなり、さらに拘縮が進む悪循環に陥る。
3個以上当てはまる場合は受診を検討してください
- 夜、肩の痛みで目が覚めることがある
- 腕を前から上げると耳の横まで届かず途中で止まる
- 髪を洗う・結ぶ動作がつらい
- エプロンの紐や下着のホックを後ろで留められない
- 駐車券を取る・後ろを振り向く動作で鋭い痛みが走る
- じっとしていても肩の奥がズキズキ・重だるく疼く
- 痛い方の肩を下にして眠れない
- 湿布や痛み止めを飲んでいるが根本的に改善しない
- ステロイド注射を2回以上受けたが効果が戻ってしまう
- 「時間が経てば治る」と言われたが数ヶ月以上改善しない
- 転倒や強打の直後から腕が全く動かない(骨折・脱臼の可能性)
- 発熱を伴い、肩が赤く腫れて激しい熱感がある(化膿性関節炎の可能性)
- 手や腕に力が全く入らない、または強いしびれがある(神経障害の可能性)
▼ 動画で解説:「なぜ肩の痛みは長引くのか」「保存療法で改善しない理由と血管へのアプローチ」
※ 肩の痛みがなぜ長引くのか、保存療法で改善しない理由、炎症に関与する血管への新しい治療アプローチについて解説しています。
③ なぜ起こるのか(原因)
肩関節周囲炎の原因は「加齢」の一言で片づけられがちですが、実際は複数の要因が重なって発症します。特に近年注目されているのが「モヤモヤ血管(異常新生血管)」の存在で、これが慢性的な痛みを長引かせる主因として研究が進んでいます。
健康な組織では必要のない細い血管が、慢性炎症の刺激を受けて大量に増殖したものです。この血管は「痛みを感じる神経線維」を一緒に引き込むため、安静時・夜間でも持続的な痛み信号が発生します。湿布や鎮痛剤が「一時的にしか効かない」のはこのためです。
④ 放置するとどうなる?
「時間が経てば自然に治る」——これは半分正解で、半分は誤りです。痛みは薄れることがあっても、適切な介入なしに放置すると関節が固まったまま(拘縮)で固定してしまうリスクがあります。
ステロイド注射は炎症を強力に抑える即効性がありますが、同じ部位への繰り返し投与は腱の脆弱化・腱断裂リスクを高めることがわかっています。「注射が効いている間だけ」を繰り返す状態が続いているなら、根本的な原因(モヤモヤ血管)へのアプローチを検討するタイミングかもしれません。
⑤ 検査
肩関節周囲炎の診断には複数の検査を組み合わせます。「MRIで異常なし」と言われても、モヤモヤ血管や関節包の炎症はエコー検査で見つかることがあります。
MRIは骨・軟骨・靭帯の「形の変化」を見る検査です。一方、痛みを引き起こすモヤモヤ血管(微細な炎症性血管の増殖)は通常のMRIでは捉えにくいことがあります。当院のエコー検査ではカラードップラーで血流をリアルタイムに確認でき、「MRI正常なのに強い炎症が見つかった」ケースが多く報告されています。
⑥ 五十肩と間違えやすい病気
肩の痛みでも、治療法が全く異なる病気が隠れていることがあります。以下の特徴で、似た症状の疾患と区別します。
⑦ 治療法
治療の基本は保存療法(手術しない治療)ですが、モヤモヤ血管が根本にある難治例には血管内治療(カテーテル治療)が当院のメインアプローチです。あわせて、ステロイド注射(モヤモヤ血管ターゲット型)を行うこともできます。
なぜ「治らない」のか——モヤモヤ血管という壁
「3ヶ月リハビリを続けたのに夜の痛みだけ取れない」「ステロイドを打って楽になるけど2週間で戻ってしまう」——こういったケースでは、炎症の根本にあるモヤモヤ血管が残ったままであることが多いです。痛みを外から抑えるだけでは、痛みの入口(異常血管)が残るため、また痛みが戻ってきます。
当院の血管内治療は、痛みの根源であるモヤモヤ血管に直接働きかける治療です。エコーで血流を確認した上で、症状の強さ・罹患期間に応じて最適な方法を選択します。
ステロイド注射
(滑膜内注射)
| 方法 | エコーでモヤモヤ血管をリアルタイムに確認しながら、その周りにステロイド剤をピンポイントで注射。使用量は整形外科で使用するステロイド剤の1/6程度。 |
|---|---|
| 所要時間 | 約3分(処置)。当日帰宅可能 |
| 麻酔・入院 | 麻酔不要・入院不要 |
| 適応 | カテーテル治療に至る前の段階として、またカテーテル治療と組み合わせて対応 |
カテーテル治療(TAME)
(経動脈的微細血管塞栓術)
| 方法 | 手首の動脈から極細のカテーテルを挿入。血管造影でモヤモヤ血管を確認し、微細塞栓物質で選択的に塞栓・消失させる。 |
|---|---|
| 所要時間 | 約40〜60分。当日帰宅可能 |
| 回数の目安 | 通常1回(経過に応じて追加の選択肢あり) |
| 麻酔・入院 | 局所麻酔・入院不要 |
| 適応 | 長引く夜間痛・顕著な拘縮・注射を繰り返しても効果が戻る難治例。早期の根本的な改善を希望する方。1週間以内に67%・1ヶ月以内に87%が夜間痛改善。 |
福岡ペインケアクリニック(福岡市博多区中洲5丁目)と、ながさきハートクリニックの両院で、エコー診察・ステロイド注射・カテーテル治療はいずれも両院で対応しています。「どちらの治療が自分に合うのか」は診察後にご説明しますので、まずはLINEでご相談ください。
▼ 「実際どうなの?」——カテーテル治療後の患者さんインタビュー
※治療の感じ方や経過には個人差があります。
エコーでモヤモヤ血管を確認してピンポイントに注射 / 使用量は整形外科の1/6程度
手首の動脈からカテーテルを挿入。モヤモヤ血管を微細塞栓物質で消失させる
※ エコー評価の結果と症状に応じて、医師が最適な治療を提案します。強制はありません。
クリニック
クリニック
痛みの血管内治療は全て自由診療(保険適用外)です。ただし、確定申告における医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管してください。なお、カテーテル治療は日帰り手術として民間生命保険の給付対象となることがあります。ご加入の保険会社にご確認ください。
- 明らかな完全腱板断裂:手術が第一選択となる場合
- 活動性の感染症:化膿性関節炎など全身・局所の感染がある場合
- 重度の腎機能障害・重篤な造影剤アレルギー:カテーテル治療の造影剤使用が困難なケース
- 抗凝固薬の調整が困難な場合:出血リスクの管理が難しいケース
上記に該当する場合でも、まずご相談ください。ステロイド注射は造影剤不使用のため、造影剤アレルギーの方にも対応できる場合があります。
カテーテル治療・ステロイド注射で「炎症の根本」を抑えた後は、固まった関節の可動域を取り戻すためのリハビリテーションを並行することで、より早く・より確実な社会復帰が期待できます。
⑧ 一般整形外科との違い
一般的な整形外科と当院グループの違いは、「痛みをどこから診るか」にあります。標準治療は痛みの「出口(神経・炎症局所)」を抑えますが、当院はモヤモヤ血管という「入口(炎症の根本)」にも直接アプローチします。
- 半年以上続く夜間痛・拘縮で日常生活に支障が出ている
- ステロイド注射を2回以上受けたが効果が戻ってしまう
- リハビリを続けているが夜間痛だけが取れない
- 手術は避けたいが早く改善したい
- 糖尿病があり治りが遅いと言われた
- MRI正常と言われたのに強い痛みが続いている
⑨ 治療実例
実際に当院でカテーテル治療を受けた方の経過を、スタッフブログでご紹介しています。
その他の症例は治療実例一覧(首・肩・胸)でご覧いただけます。LINEでのご相談や初診時に、医師から直接過去の治療例をお伝えすることもできます。
⑩ よくあるご質問(FAQ)
患者さんから多く寄せられる質問をまとめました。診察時にも遠慮なくお聞きください。
⑪ まとめ
- 肩関節周囲炎(五十肩)は「放置すれば自然に治る」だけではない。拘縮が進むと肩が固まったまま回復しないリスクがあります。
- 夜間痛・難治性の痛みの正体はモヤモヤ血管。湿布や注射では届かない炎症の根本に異常血管が増殖しています。
- 当院のメイン治療はカテーテル治療(TAME)。モヤモヤ血管を血管内から根本的に消す。局所麻酔・日帰りで体への負担が少ない低侵襲治療です。
- ステロイド注射(ステロイド注射)も6,600円で対応可能。カテーテル治療と組み合わせての対応もできます。
- エビデンスで1週間以内に67%・1ヶ月以内に87%が夜間痛改善、重大合併症ゼロ。(Okuno et al., J Vasc Interv Radiol. 2017)
- ステロイド注射の繰り返しは腱断裂リスクがある。2〜3回以上で効果が戻る場合は、根本治療の検討タイミングです。
- 福岡ペインケアクリニック・ながさきハートクリニックの両院で対応。まずはLINEからご相談ください。
- 「MRI異常なし」でも強い痛みが続く方は、エコー検査でモヤモヤ血管の有無を確認できます。
日本専門医機構認定内科専門医 / 日本医師会認定スポーツ健康医
循環器内科医としての血管治療技術を応用した「痛みの血管内治療」を専門とし、2,500例以上の血管内治療を経験。 五十肩(肩関節周囲炎)を含む難治性疼痛に対して地元九州で動注治療・カテーテル治療を行っている。
- Okuno Y, Iwamoto W, Matsumura N, et al. Clinical Outcomes of Transcatheter Arterial Embolization for Adhesive Capsulitis Resistant to Conservative Treatment. J Vasc Interv Radiol. 2017 Feb;28(2):161-167.e1. PMID: 28007330.
- 日本整形外科学会・日本肩関節学会 監修「肩関節周囲炎」診療ガイドライン
- Omae H, et al. Neovascularization and nerve ingrowth in adhesive capsulitis of the shoulder. J Orthop Res. 2015.
- Cho NS, et al. Intraarticular injections in adhesive capsulitis: a systematic review. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2011.
- Rangan A, et al. Management of adults with primary frozen shoulder in secondary care (UK FROST). Lancet. 2020;396(10256):977-989.
- 越智隆弘 他編:今日の整形外科治療指針 第8版. 医学書院, 2021.
九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network
福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、 モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。


