肩こり、首こり
肩こり・首こりが治らない本当の理由
― モヤモヤ血管に着目した新しい治療選択肢 ―
慢性的な肩こり・首こりは、単なる筋肉疲労などだけでは説明できないことがあります。
マッサージや湿布、ストレッチを続けても改善しない場合、痛みを引き起こす「モヤモヤ血管(炎症によって増えた異常な血管)」が関与している可能性があります。
実際、肩や首の痛みが長引く方の中には、血流を一時的に良くしてもすぐに元に戻ってしまうケースが少なくありません。
その背景には、炎症と血管、そして神経の関係が関わっていると考えられています。
なぜ肩こり・首こりは治らないのか
首や肩の筋肉が長期間にわたって緊張した状態が続くと、筋肉やその周囲の組織に慢性的な炎症が起こります。
この炎症が続くことで、修復反応として新しい細い血管(モヤモヤ血管)が増えていきます。
血管は神経と並走しているため、
この異常血管が増えることで痛みを感じやすい神経が刺激されやすくなり、
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血流を良くしても一時的にしか楽にならない
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マッサージ直後は軽くなるが、すぐ戻る
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天候や疲労で痛みがぶり返す
といった慢性化した肩こり・首こりが起こると考えられています。
肩こり・首こりとは(一般的な症状と原因)
肩こり・首こりは、首から背中にかけての筋肉(僧帽筋など)がこわばり、重だるさや痛み、不快感を感じる状態です。
症状が強くなると、以下のような症状を伴うこともあります。
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頭痛
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めまい・吐き気
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目の奥の痛み
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集中力の低下
原因としては、
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長時間のデスクワークやスマートフォン操作
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前かがみ姿勢・猫背
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眼精疲労
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運動不足
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ストレス
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過去の外傷(むち打ちなど)
などが挙げられます。
一般的には、マッサージ、温熱療法、湿布、内服薬などが行われますが、慢性化した場合には十分な効果が得られないこともあります。
自分でできる対処法
姿勢の改善
背筋を伸ばし、肩が前に出ないように意識することで、首や肩への負担を軽減します。
適度なストレッチ・運動
首や肩の筋肉を伸ばし、血流を促進することで、こりの予防につながります。
こまめに休憩を取る
長時間同じ姿勢を続けるのではなく、1時間に1回程度ストレッチを行うと効果的です。
温める(入浴や温熱シートの活用)
首や肩を温めることで血流を改善し、筋肉の緊張を和らげます。
目を休める
長時間のパソコン作業の合間に目を休めることで、眼精疲労による肩こりを防ぎます。
ストレス管理
瞑想や深呼吸を取り入れ、精神的なリラックスを図ることも大切です。
血管内治療という新しい選択肢(カテーテル治療)
慢性的な首こりや肩こりの一因として、痛みを引き起こす異常な血管(モヤモヤ血管)が関与しているケース があります。この異常血管を閉塞することで、痛みを軽減する治療法がカテーテル治療 です。福岡・長崎でもようやくこの治療を受けられるようになりました。
治療後モヤモヤ血管が減っている
肩こりのモヤモヤ血管
血管内治療の特徴
- 低侵襲な治療法 :手術ではなくカテーテルを使用するため、体への負担が少ない。
- 即日帰宅が可能 :治療後、短時間の安静を経て日常生活に戻ることができる。
- ピンポイントで治療が可能 :X線や超音波を用いて異常血管を特定し、直接治療。
- 持続的な痛みの軽減が期待できる :一時的な鎮痛ではなく、根本的な改善を目指す。
血管内治療は、これは一時的な鎮痛ではなく、痛みが起こる背景そのものにアプローチする治療法といえます。
従来の治療法で改善が見られなかった慢性の首こり・肩こりの患者にとって、新たな選択肢 となる治療法です。
肩こり・首こりに対するカテーテル治療は、
2020年に**CVIR(CardioVascular and Interventional Radiology)**という
ヨーロッパのカテーテル治療専門医学誌に報告されています。
論文の要点は以下の通りです。
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対象:42名
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痛みの変化:
治療前 NRS平均 8.6 → 治療6か月後 3.9 -
経過:効果の持続が認められた
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安全性:重大な合併症は認められなかった
多くの患者さんで、痛み止めや湿布の使用頻度が減少したと報告されています。
マッサージや整体で一時的にしか痛みが減らない方、根本から肩こり首こりを減らしたい方がカテーテル治療に適しています。
治療実例
30代男性
毎朝強い肩こり・首こりがあり、仕事や日常生活に支障をきたしていました。
マッサージや内服治療を続けていましたが、十分な改善は得られませんでした。
カテーテル治療後、
肩こり・首こりの痛みは大きく軽減し、内服薬やマッサージに頼る頻度が減少しました。
※効果には個人差があります。
専門的見解
循環器内科医・痛みの血管内治療医の立場から見ると、
肩こり・首こりの中には、「筋肉」だけでは説明できない痛みが多く存在します。
炎症に伴って増えるモヤモヤ血管は、
これまで見逃されがちだった慢性痛の一因と考えられます。
すべての肩こり・首こりに当てはまるわけではありませんが、
従来の治療で改善しなかった方にとって、
血管に着目した治療は一つの選択肢になり得えます。
文責・治療責任者
坂井 伸彰
福岡ペインケアクリニック 院長
ながさきハートクリニック
九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network
福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、 モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。


