痛風
痛風
繰り返す発作・長引く足の親指の激痛
夜中に突然、足の親指がズキズキと脈打つように痛み出す。シーツが触れるだけで耐えられない——それが痛風発作です。薬を飲んでいるのに発作を繰り返す方、腫れが数ヶ月引かない方は、関節に「モヤモヤ血管(異常な炎症血管)」が増殖しているかもしれません。当院ではこの血管へ直接アプローチする「動注治療・カテーテル治療」(自費診療)を行っています。
- 発作を繰り返す原因は「尿酸結晶+異常血管」の二重構造にある
- 炎症が慢性化すると、モヤモヤ血管が発痛物質を出し続け自然には改善しにくくなる
- 当院の動注・カテーテル治療は異常血管を減らし、発作頻度の低下・鈍痛改善が期待できる
- 局所麻酔・日帰り・ステロイド不使用。治療翌日からの仕事復帰が可能なケースが多い
- 福岡・長崎どちらでも相談可能。まずはLINEで気軽に問い合わせを
痛風とは何か
痛風とは、尿酸が関節内で結晶化し、激しい炎症発作と足の親指の激痛を繰り返す疾患です。血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると発症リスクが高まります。
痛風は、血液中の尿酸値が高くなり(高尿酸血症:7.0mg/dL以上)、溶けきれなくなった尿酸が関節内で針状の結晶を形成し、激しい炎症を繰り返す疾患です。足の親指の付け根(第一中足趾節関節)に最も多く起こりますが、足首・足の甲・膝・アキレス腱付近にも発症します。日本では成人男性の約1〜2%が罹患しており、近年は若年化も進んでいます。
好発部位:足の親指の付け根
痛風発作の約70%は足の親指の付け根(第一MTP関節)で起こります。ここは体の中で最も温度が低く、尿酸が結晶化しやすい場所です。
「風が当たるだけで痛い」という言葉通り、シーツが触れる程度の刺激でも激痛が走ります。発作は夜中〜明け方に突然始まることがほとんどで、数時間でピークに達します。
発作を繰り返すたびに、関節周囲の組織にはモヤモヤ血管(異常な炎症血管)が増殖します。これは正常な治癒反応として生まれた血管が、炎症が長引くことで"暴走"した状態です。この異常血管は発痛物質や炎症性サイトカインを産生し続けるため、「尿酸値を下げたはずなのに痛みが続く」という慢性化の大きな原因となります。
当院では、尿酸値を薬でコントロールするという標準治療に加え、増殖したモヤモヤ血管を血管内から直接減少させる「動注治療・カテーテル治療」を行っています。痛みの根本にある「異常血管」を標的にすることで、難治性の慢性炎症に対応します。
症状・セルフチェック
痛風の最大の特徴は、突然始まる関節の激痛と急激な腫れです。多くは夜中から明け方に発症し、24〜48時間以内に最大の痛みを迎えます。適切な処置をしなくても1〜2週間で自然に引くことが多いですが、「治った」のではなく「一時的に落ち着いた」状態です。
脈打つような、ズキズキとした激痛。夜中に突然「足の親指が爆発するように痛い」と目が覚める方も少なくありません。痛みのピークは24〜48時間以内。
患部が赤黒く腫れ上がり、さわると熱を持っています。皮膚が引っ張られるような感覚を伴うこともあります。歩くのはほぼ不可能な状態です。
初回発作から数ヶ月〜1年以内に再発するケースが多いです。発作と発作の間に症状がない「間欠期」がありますが、根本治療なしでは発作間隔が短くなっていきます。
放置を続けると関節が徐々に変形し、発作がないときも関節周囲のだるさや鈍痛が続くようになります。痛風結節(皮膚の下に白いコブ)が現れることもあります。
- ある日突然、足の親指の付け根が激しく痛み出した
- 患部が赤く腫れ上がり、熱を持っている
- 足をつくのも辛く、歩くのが困難だ
- 靴下を履いたりシーツが当たるだけで激痛がある
- 以前にも同じような激痛があり、数日で治まった経験がある
- 健康診断で「尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)」と言われている
- ビールやアルコールをよく飲む、または最近飲む機会が多かった
- 痛み止めを飲んでも、腫れや痛みが完全には引かない
- 発作を繰り返しており、いつ再発するか不安だ
- 足首や膝など複数の関節が痛むことがある
- 関節が変形してきた、または皮膚の下に白いコブができた
痛風発作ではなく、緊急処置が必要な別の疾患である可能性があります。自己判断で様子を見ず、早めに受診してください。
- 38度以上の発熱と関節の激痛・腫れが同時にある(化膿性関節炎:細菌感染の疑い)
- 転倒・打撲の直後で、足の形がおかしい・明らかに変形している(骨折の疑い)
- 複数の関節が同時に腫れ、全身のだるさ・発熱を伴う(関節リウマチの急性増悪などの疑い)
原因と発症メカニズム
痛風の根本原因は「高尿酸血症」——血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超え、関節内で尿酸が結晶化することです。しかし実際には、尿酸値だけが高くても発作が起きない人もいます。発作のきっかけは、結晶が剥がれ落ちて白血球が集まり、急激な炎症が起きることにあります。
| 分類 | 具体的な要因 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿酸産生過剰 | プリン体の多い食事(レバー、干物、魚卵など)、アルコール多飲、激しい運動 | プリン体はすべての細胞の核にある成分。食事由来は全体の約20% |
| 尿酸排泄低下 | 遺伝的体質(腎尿酸排泄トランスポーターの機能低下)、慢性腎臓病、脱水 | 日本人の痛風患者の約60%がこのタイプ |
| 発作誘因 | 急激な尿酸値の変動(飲み過ぎ、激しい運動、急な食事制限)、脱水、疲労、ストレス | 結晶が剥がれて白血球が反応するきっかけとなる |
| 合併症・薬剤 | 高血圧・糖尿病・脂質異常症(メタボリックシンドローム)、利尿薬・アスピリン少量 | 腎機能低下で尿酸が排出されにくくなる |
なぜ「尿酸を下げているのに」発作が続くのか
炎症が繰り返された関節には、モヤモヤ血管(異常な毛細血管)が増殖しています。尿酸値を下げる薬で結晶の産生を抑えても、すでに関節内に蓄積した結晶がすべて溶けるには年単位の時間がかかります。その間、モヤモヤ血管は炎症性物質を産生し続け、些細な刺激でも発作を引き起こしやすい「炎症が起きやすい関節」の状態が続きます。
放置するとどうなるか
「どうせ治まるから」と放置を続けると、痛風は段階的に悪化します。単なる発作の繰り返しから、関節の変形・腎臓へのダメージへと進行します。早期から尿酸値をコントロールすることが最も重要です。
| 段階 | 状態 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 高尿酸血症期 | 症状なし・尿酸値7.0mg/dL以上 | この時点で生活習慣の改善を始めることが最も効果的。すでに関節内で結晶が形成されていることがある |
| 急性発作期 | 突然の激痛・腫れ・発赤 | 1〜2週間で自然に落ち着くが、根本治療なしでは6〜12ヶ月以内に再発する確率が高い |
| 間欠期 | 発作と発作の間(無症状) | 「治った」わけではない。次の発作に向けて結晶が蓄積し続けている。この時期に尿酸降下治療を開始することが重要 |
| 慢性痛風関節炎 | 発作が頻繁・発作間にも鈍痛 | 関節の変形が始まる。モヤモヤ血管が増殖し、炎症が慢性化。標準治療だけでは改善しにくくなる |
| 痛風結節・腎障害 | コブ形成・腎機能低下 | 関節・耳介・アキレス腱などに痛風結節(白いコブ)が形成。長期の高尿酸血症は尿路結石・痛風腎のリスクも高める |
強力な抗炎症効果があるステロイド注射は急性期に有効ですが、同じ関節に繰り返し使用すると軟骨の変性・感染リスクの増加・皮膚の萎縮などの副作用が問題となります。「発作のたびにステロイド注射を打ち続けている」という場合は、根本原因(異常血管・結晶蓄積)へのアプローチを検討してください。
検査・診断
痛風かどうかの確定診断は「関節液中の尿酸結晶の確認」ですが、血液検査・エコー検査・レントゲンを組み合わせて診断します。エコーではモヤモヤ血管(炎症血管)の有無も評価でき、痛みの原因をより詳しく把握できます。
| 検査 | 確認できること | 備考 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 尿酸値・炎症反応(CRP、白血球)・腎機能 | 発作中は尿酸値が一時的に低下することがある。正常値でも痛風の可能性あり |
| 超音波(エコー)検査 | ダブルコンツアーサイン(関節軟骨上の結晶付着)・モヤモヤ血管(パワードプラ信号)・腱への結晶沈着 | 当院が特に重視する検査。モヤモヤ血管の有無が治療適応の判断に直結する |
| 関節液検査 | 針状の尿酸一ナトリウム結晶(MSU結晶)の確認 | 確定診断に最も有用。腫れている関節から液を抜いて顕微鏡で確認する |
| レントゲン・CT | 骨の浸食(骨びらん)・痛風結節の石灰化・関節の変形 | 初期には異常が見られないことが多い。慢性期の評価に有用 |
| MRI | 骨髄浮腫・痛風結節の範囲・腱・靭帯の状態 | 軟部組織・骨内の変化を詳しく評価できる。慢性痛風で痛みが広範囲な場合に有用 |
画像検査で骨・軟骨の変形が見られなくても、エコーで検査するとモヤモヤ血管が増殖しているケースがあります。この異常血管は炎症と痛みを持続させる主な原因となりますが、MRIやレントゲンでは写りにくいため「異常なし」と言われてしまいます。「画像は問題ないと言われたが痛みがとれない」方は、エコーによる血管評価をぜひご相談ください。
似た病気との見分け方
足の関節の急激な腫れ・痛みは痛風だけでなく、いくつかの疾患でも起こります。特に化膿性関節炎は緊急処置が必要で、痛風との鑑別が重要です。
尿酸ではなく「ピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)」による関節炎。高齢者の膝・手首に多い。尿酸値が正常でも起こり、レントゲンで石灰化が確認できることがある。
細菌が関節内に入って膿がたまる病気。38度以上の高熱+激しい腫れが特徴。緊急処置(手術など)が必要で、見逃すと関節が破壊される。
親指が小指側に曲がって付け根が内側に出っ張る変形。靴の当たりによる痛みが主で、発作的な激痛よりも慢性的な痛み・変形が中心。尿酸値は正常。
免疫の異常で多発性に関節が炎症する疾患。左右対称に複数の小関節が腫れるのが特徴。朝のこわばりが長く続く。血液検査でリウマチ因子を確認。
皮膚・皮下組織に細菌が感染する病気。皮膚が広い範囲で赤く腫れ、関節に限らず発赤が広がる。発熱を伴うことが多く、抗菌薬治療が必要。
強い打撃や反復ストレスによる骨の損傷。転倒・スポーツ時の強い痛み、特定部位の圧痛が目安。レントゲン・CTで確認。骨折の疑いがあればすぐ受診を。
治療法
痛風治療の基本は「急性発作を鎮める治療」と「尿酸値を下げる根本治療」の2段階です。発作を繰り返す難治例には、モヤモヤ血管へアプローチする動注・カテーテル治療が選択肢になります。
痛風の治療は「発作を抑える治療」と「尿酸値を下げて再発を防ぐ治療」の2段階が基本です。これに加え、当院では慢性炎症の根本にある「異常血管(モヤモヤ血管)」へアプローチする専門治療を行っています。
保存療法(薬・生活指導)
| 治療法 | 目的・効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| NSAIDs(痛み止め) ロキソニン、セレコキシブなど |
発作時の炎症を強力に抑える。発症24時間以内に使用すると効果的 | 胃への負担がある。腎機能が低下している場合は慎重に使用 |
| コルヒチン | 発作の「予兆」がある段階で服用すると発作を予防できる | 下痢・腹痛などの消化器症状が出やすい。腎機能が低下している場合は減量が必要 |
| ステロイド 内服・注射 |
NSAIDsが使えない場合(腎不全など)の強力な消炎手段 | 感染症の悪化、血糖値の上昇リスク。同部位への注射の繰り返しは軟骨を傷める可能性あり |
| 尿酸降下薬 アロプリノール・フェブキソスタット・ベンズブロマロン |
尿酸値を6.0mg/dL以下に保ち、結晶の溶解・再形成を防ぐ。根本治療として継続が必須 | 発作中の開始は発作を悪化させる可能性がある。急激な降下も一時的に発作を誘発しうる |
| 生活指導 食事・飲酒・水分摂取 |
プリン体制限(レバー・干物・魚卵を控える)、節酒、1日2L以上の水分補給 | 食事指導だけでは尿酸値を大幅に下げることは難しい。薬との併用が有効 |
なぜ薬を続けているのに発作が繰り返されるのか
ロキソニンを飲めば痛みは引く。尿酸降下薬も飲んでいる。それでも3ヶ月に一度、半年に一度、発作が来る——そういう方は少なくありません。
理由は2つあります。まず、関節内に溜まった結晶は薬ですぐには溶けません。尿酸値を下げ続けても、蓄積した結晶がすべて消えるには数年かかることがあります。その間、結晶が剥がれるたびに発作が起きます。
もう一つがモヤモヤ血管の問題です。炎症が繰り返された関節には異常血管が増えており、ここから炎症を起こす物質が出続けています。尿酸値が下がっても、この血管が残っている限り関節は「炎症が起きやすい状態」のままです。湿布・安静・痛み止めでは、この血管には働きかけられません。
動注治療・運動器カテーテル治療(当院の自費専門治療)
当院では、繰り返す発作・慢性化した痛みに対し、異常血管(モヤモヤ血管)を標的とした血管内治療を行っています。
動注治療(動脈注射治療)
| 方法 | 足首・足の甲の動脈から極細の針を刺し、異常血管を減らす薬剤を直接注入 |
|---|---|
| 所要時間 | 約3分 |
| 麻酔・入院 | 麻酔不要。日帰り可。入院不要 |
| 回数の目安 | 1〜3回(状態・改善度により個人差あり) |
| 適応 | 軽度〜中等度の難治性慢性炎症、発作繰り返し、鈍痛が残っている方 |
| 翌日の生活 | 翌日から日常生活・デスクワーク可能なケースがほとんど |
運動器カテーテル治療
| 方法 | X線透視下でカテーテルを血管内に進め、問題の異常血管を直接塞栓(流れを止める) |
|---|---|
| 所要時間 | 30〜60分(局所麻酔込み) |
| 麻酔・入院 | 局所麻酔のみ。日帰り可。入院不要 |
| 回数の目安 | 通常1回。複数部位の場合は段階的に実施 |
| 適応 | 中等度〜高度の慢性化、動注治療では不十分なケース、複数関節に炎症が及ぶ方 |
| 翌日の生活 | 安静不要。翌日から日常生活OK |
動注治療は福岡ペインケアクリニック・ながさきハートクリニックの両院で受けられます。カテーテル治療は主に福岡ペインケアクリニックで実施しています。まずはLINEまたは電話でお気軽にご相談ください。遠方の方はオンライン相談も対応しています。
治療選択フロー
血流信号の強さ・分布・症状の慢性度から判断します
発作を繰り返す・鈍痛が残る
難治性・複数関節・変形あり
料金(自費診療)
| 治療 | 片側(1部位) | 両側(2部位) |
|---|---|---|
| 動注治療 | 30,800円(税込) | 41,800円(税込) |
| カテーテル治療(TAME) | 308,000円(税込) | 385,000円(税込) |
当院の動注治療・カテーテル治療は、現在のところ公的健康保険の対象外(自費診療)です。ただし、医療費控除の対象となるため、確定申告時に申請いただけます。
また、カテーテル治療は日帰り手術として、民間保険会社の給付対象となることがあります。ご加入の保険内容によって異なりますので、事前に保険会社へご確認ください。
- 化膿性関節炎(細菌感染)が疑われる場合(感染を悪化させる危険があります)
- 造影剤への重篤なアレルギーがある場合(カテーテル治療の場合)
- 重篤な腎機能障害(eGFR 30未満など)がある場合
- 尿酸値のコントロールを全く行う意思がない場合(効果が持続しません)
- 妊娠中・授乳中の方
治療直後から全ての痛みが消えるわけではありません。数週間〜2〜3ヶ月かけて炎症が落ち着いていきます。治療後も尿酸降下薬の継続が不可欠です。じっくりと経過を追いながら次のステップを相談します。
穿刺部に内出血が起きることがあります(1〜2週間で消失)。治療後数日間、一時的に患部の痛みや腫れが増すことがあります(炎症の一時的な悪化で、通常は自然に改善)。稀に造影剤やアルコールによる軽度のアレルギー反応が起こる場合があります。
まずはLINEでお気軽にどうぞ。初回相談は無料です。
※ 治療効果には個人差があります。
一般内科・整形外科との違い
痛風の標準治療は内科(リウマチ科・代謝科)や整形外科で行います。これは大切な治療です。当院が加えているのは、標準治療では対応しきれない「慢性化した異常血管」への治療です。どちらが優れているというわけではなく、アプローチの対象が違います。
| 一般内科・整形外科 | 当院(痛みの血管内治療) | |
|---|---|---|
| 尿酸値コントロール | ◎ 保険適用で処方 | ◎ 必要に応じて内科連携 |
| 急性発作への対応 | ◎ NSAIDs・コルヒチン処方 | △ 急性期のみの対応は行っていない |
| 検査ツール | 血液・レントゲン・MRI | エコー(モヤモヤ血管を可視化) |
| モヤモヤ血管への治療 | 通常は対応なし | ◎ 動注治療・カテーテル治療 |
| 慢性難治例への対応 | 経過観察・薬の調整が中心 | ◎ 異常血管へ直接アプローチ |
| 手術 | 巨大な痛風結節には手術も | 血管内治療(切らない) |
| 保険診療 | ◎ 基本的に保険適用 | △ 専門治療は自費診療 |
- 尿酸降下薬を飲み続けているのに発作を繰り返している
- 痛み止めを飲んでも腫れや鈍痛が数ヶ月単位で引かない
- エコーやMRIで炎症血管(モヤモヤ血管)を指摘されたことがある
- 手術は受けたくない・入院できない
- ステロイド注射を繰り返してきたが改善が乏しい
- 複数の関節に痛みがあり困っている
治療実例・症例ページ
実際に当院で治療を受けられた方の経過をご紹介します。
※ 治療効果には個人差があります。
よくある質問(FAQ)
患者さんからよく寄せられる質問をまとめました。気になる項目をクリックして回答をご覧ください。
関節に蓄積した尿酸の結晶が、何らかのきっかけ(脱水、飲酒、体位変換など)で剥がれ落ち、白血球が一気に集まって激しい炎症反応を起こすためです。この炎症は非常に急激で強烈で、夜中から明け方にかけて突然ピークを迎えることが多いのはそのためです。また、就寝中は水分が不足して尿酸値が上がりやすく、体温が低下することで結晶が剥がれやすくなるという背景もあります。
理由が2つあります。①関節内に溜まった尿酸結晶は薬で少しずつしか溶けず、完全に消えるまでには年単位の時間がかかります。その間、結晶が剥がれるたびに発作が起きます。②炎症を繰り返した関節にはモヤモヤ血管(異常な炎症血管)が増殖しており、そこから炎症物質が出続けています。尿酸値が下がっても、この血管が残っている限り関節は「発作が起きやすい状態」のままです。
炎症を繰り返した組織に、病的に増殖する不完全で脆い異常な毛細血管のことです。本来は「傷を治すための血管」として生まれますが、炎症が長引くとコントロールが効かなくなり、炎症性サイトカイン(痛みを起こす物質)や発痛物質を産生し続けます。高精細エコー検査のパワードプラモードで血流信号として確認できます。正常な組織にはほぼ存在しない血管です。
動注治療(動脈注射治療)は、足首・足の甲の動脈から極細の針で薬剤を投与する方法(約3分、麻酔不要、日帰り)です。軽〜中等度の難治性炎症に適しており、翌日からの日常生活復帰が可能です。
カテーテル治療はX線透視下でカテーテルを血管内に進め、問題の異常血管を直接塞栓する方法(30〜60分、局所麻酔、日帰り)です。より慢性化・重症化した例、動注治療では不十分な場合、複数関節に問題がある場合に対応します。どちらが適しているかはエコー検査の結果と症状で判断します。
動注治療の場合、1回で状態が落ち着く方もいますが、慢性化している場合は2〜3回行うとより安定するケースが多いです。カテーテル治療は通常1回ですが、複数関節に病変が広がっている場合は段階的に行うことがあります。いずれも尿酸降下薬(内科的治療)との継続的な併用が非常に重要です。
当院の動注治療・カテーテル治療は現在のところ公的健康保険の対象外(自費診療)です。費用の目安は動注治療が30,800円〜(片側)、カテーテル治療が308,000円〜(片側)です。なお、自費診療であっても医療費控除の対象となるため、確定申告時に申請いただけます。尿酸降下薬などの内科的治療は通常の保険診療です。
動注治療は翌日から日常生活に復帰できます。麻酔も不要なため体への負担が少なく、デスクワークはもちろん、軽い移動なども問題ありません。カテーテル治療も安静不要で、翌日から日常生活OKです。長時間の立ち仕事・激しい運動については2〜4週間様子を見てください。スポーツへの本格復帰は医師と相談しながら段階的に行います。
動注治療は福岡ペインケアクリニック・ながさきハートクリニックの両院で受けられます。カテーテル治療(TAME)は主に福岡ペインケアクリニックで実施しています。まずはLINEまたは電話でご相談ください。遠方の方はオンラインでの事前相談にも対応しています。
急性発作の真っ最中(発症後72時間以内)は、まず痛み止め(NSAIDs)やコルヒチンで炎症を鎮めることが優先です。動注・カテーテル治療は、急性炎症がある程度落ち着いてから行います。「また発作が来た、次こそ根本的に対処したい」とお考えの場合は、発作が治まってからご相談ください。
ステロイド注射の既往があっても、多くの場合は動注・カテーテル治療を受けられます。ただし、注射部位の状態・感染の有無・腎機能などを確認する必要があります。「これ以上ステロイドは使いたくない」という方にも当院の治療は選択肢の一つとなります。まずはご相談ください。
MRI・レントゲンで骨・軟骨の変形が見られなくても、エコー検査でモヤモヤ血管が確認されている場合は治療の適応となります。画像上の「異常なし」はあくまで骨・軟骨の評価であり、軟部組織内の炎症血管はMRIでも写りにくいことがあります。エコーでの評価が重要です。
カテーテル治療では造影剤を使用するため、重篤なアレルギー(アナフィラキシー)がある場合は実施が難しい場合があります。軽度のアレルギーの場合は、前投薬(抗ヒスタミン薬・ステロイド)で対応できるケースもあります。まずはご相談の上、詳しい状況をお聞かせください。動注治療は造影剤を使用しないため、適応となるケースがあります。
ビールはプリン体が多く含まれる飲み物ですが、実はアルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。ビール以外でも、日本酒・焼酎・ウイスキーなどすべての種類のアルコールが尿酸値を上げます。完全禁酒が理想ですが、週に2〜3日の休肝日を設けること、1回の飲酒量を減らすことも大切です。「お酒をやめるのは無理」という方も、まず量を減らすことから始めましょう。
急性発作中のマッサージは絶対にやめてください。患部を揉むと炎症が悪化したり、結晶が広がって激痛が増します。入浴も急性期は熱めのお風呂は避け、ぬるめのシャワー程度にとどめてください。患部は「冷やす」のが正解です(ただし凍傷に注意して間接的に冷やします)。発作が落ち着いた慢性期であれば、温めることで筋肉の緊張が和らぎます。
多くの場合、継続が必要です。薬をやめると尿酸値は元に戻り、結晶の再蓄積が始まります。ただし、生活習慣の改善(減酒・適切な食事・水分摂取・運動)がしっかりできた方では、医師と相談しながら減薬・休薬を試みるケースもあります。「一生飲み続けるのか」という不安は多くの方が感じることですが、コントロールできれば快適な生活を取り戻すことができます。
尿酸値を低く(6.0mg/dL以下)保ち続けることで、蓄積した結晶が溶けて痛風結節は徐々に小さくなります。ただし数年単位の時間がかかります。巨大な結節が日常生活に支障をきたしている場合は、外科的切除の適応となることがあります。
動注治療後は穿刺部を強く押さえたり、当日の入浴は控えていただきます(シャワーは翌日から可能)。翌日からデスクワークは可能なケースが多いですが、激しい運動や長時間の立ち仕事は2〜4週間様子を見てください。カテーテル治療後は1〜3日の安静が必要です。いずれも治療後に詳しく説明します。
痛風だけが原因で手術になるケースは稀です。巨大な痛風結節が神経や腱を圧迫して生活に支障がある場合に限り、外科的切除が行われることがあります。当院の動注治療・カテーテル治療は「切らない」血管内治療であり、手術を避けたい方に選ばれています。
まとめ
- 痛風は高尿酸血症を背景に関節内で尿酸結晶が形成され、激しい炎症発作を繰り返す疾患です。足の親指の付け根に最も多く起こります。
- 尿酸降下薬による尿酸値コントロールが根本治療の柱ですが、慢性化した痛みの背後には「モヤモヤ血管(異常な炎症血管)」の増殖があり、薬だけでは改善しにくいケースがあります。
- 当院ではエコー検査でモヤモヤ血管を評価し、動注治療・カテーテル治療でこの異常血管へ直接アプローチします(自費診療)。
- 動注治療は約3分・日帰り・麻酔不要。カテーテル治療は30〜60分・日帰りで、いずれも翌日から日常生活復帰OKです。
- 「薬を飲んでも発作が続く」「鈍痛が数ヶ月引かない」「手術は受けたくない」という方に、当院の専門治療が選択肢の一つとなります。
- 福岡・長崎どちらでも相談可能。まずはLINEで気軽にご連絡ください(初回相談無料)。
※ 治療効果には個人差があります。
日本専門医機構認定内科専門医 / 日本医師会認定スポーツ健康医
循環器内科医としての血管治療技術を応用した「痛みの血管内治療」を専門とし、2,500例以上の血管内治療を経験。痛風を含む慢性疼痛に悩む患者さんへのモヤモヤ血管治療に取り組む。
- 日本痛風・尿酸核酸学会.高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版.診断と治療社.2019.
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- Richette P, Doherty M, et al. 2016 updated EULAR evidence-based recommendations for the management of gout. Ann Rheum Dis. 2017;76(1):29-42.
九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network
福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、 モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。


