メニュー

片頭痛

片頭痛(ズキズキする強い頭痛・吐き気)

片頭痛(へんずつう)は、脳や頭皮の血管が拡張し、こめかみ付近がズキズキと脈打つように痛む病気です。吐き気や光・音への過敏症状を伴い、日常生活に支障をきたすのが特徴です。一般的な内服薬や予防薬で改善しない難治性の片頭痛に対し、当院では原因となる異常血管(浅側頭動脈など)へアプローチする「STA動注治療」を行っています。

1. セルフチェック

以下の項目に当てはまるものが多い場合、片頭痛の可能性があります。

  • ズキンズキンと脈打つような痛みがある
  • 頭痛時に吐き気がしたり、ムカムカしたりする
  • 普段は気にならない光がまぶしく、音がうるさく感じる
  • 歩行や階段の上り下りなど、日常動作で痛みがひどくなる
  • 痛みの前に、目の前にチカチカする光(閃輝暗点)が見える
  • ストレスから解放された週末や、寝すぎた時に痛くなる
  • 天候の変化や気圧の低下で頭痛が起こりやすい
  • 月に何度も頭痛があり、市販の痛み止めを頻繁に使う
  • 頭痛のために、仕事や家事を休んで寝込んでしまう
  • 家族(親や兄弟)にも同じような頭痛持ちの人がいる

【緊急:すぐに受診が必要な症状】

  • 経験したことのない突然の激しい頭痛: くも膜下出血などの疑いがあります。
  • 麻痺や発熱を伴う頭痛: 手足の麻痺、ろれつが回らない、高熱がある場合は脳卒中や髄膜炎の疑いがあります。

※これらに該当する場合は、直ちに救急医療機関を受診してください。

2. 症状

片頭痛は単なる痛みだけでなく、脳の過敏状態による多様な症状を伴います。

痛みの性質

こめかみから目の奥にかけて、心臓の拍動に合わせた「拍動性(はくどうせい)」の痛みが典型的です。

過敏症状

脳が刺激に敏感になるため、光がまぶしい(光過敏)、音が響く(音過敏)、特定のにおいが鼻につく(臭過敏)といった症状が併発します。

生活への支障

発作は4時間〜72時間ほど続き、動くと痛みが増すため、暗い部屋で横にならざるを得ない状況(寝込み)を招きます。

3. 自然経過

軽症・中等症

適切な治療薬(トリプタン製剤など)によりコントロール可能ですが、放置すると頻度が増す場合があります。

慢性片頭痛

頭痛が月に15日以上(うち片頭痛が8日以上)ある状態が3ヶ月以上続くと、慢性片頭痛と診断されます。

薬物乱用頭痛のリスク

痛みを抑えようとして市販薬を月に10日以上服用し続けると、脳の痛みの閾値が下がり、かえって毎日頭痛が起こる状態へ移行します。

4. 原因

メカニズムは完全には解明されていませんが、現在では「三叉神経血管説」が有力です。

血管の拡張と神経刺激

三叉神経が何らかの刺激で炎症物質を放出し、血管を拡張させます。この拡張がさらに神経を刺激し痛みの悪循環を生みます。

誘因(トリガー)

ストレス、睡眠不足、女性ホルモンの変動、天候不良(低気圧)などが引き金となります。

モヤモヤ血管(異常血管)

近年の研究で、頭皮を走る血管(浅側頭動脈など)が異常に拡張・増殖し、痛みの原因となっている可能性も指摘されています。

5. 検査

  • 詳細な問診: 痛みの頻度、強さ、持続時間、併用薬を確認します。
  • 神経学的診察: 麻痺や感覚障害など、脳の異常を示唆するサインがないか確認します。
  • 画像・エコー検査: 脳出血や脳腫瘍の除外のためMRI等が有用です。また、当院では頭皮の血管の走行をエコーで確認します。

6. 鑑別疾患(見分け方のポイント)

緊張型頭痛

頭全体が締め付けられる重い痛み。動いても悪化せず、吐き気も伴いません。
※緊張性頭痛もSTA動注で効果が期待できます。

群発頭痛

片方の目の奥にえぐられるような激痛。涙や鼻水を伴い、一定期間毎日起こります。
※群発頭痛もSTA動注で効果が期待できます。

薬物乱用頭痛

鎮痛薬の飲みすぎで起こります。朝から頭痛があり、薬を飲んでもスッキリしません。

7. 一般治療

日本頭痛学会のガイドラインに基づいた保存療法が基本です。

生活指導

規則正しい睡眠、ストレス管理、誘因となる食品(アルコール等)の回避。

急性期治療薬

痛みが出た時に服用するトリプタン製剤、NSAIDs(痛み止め)など。

予防療法

発作頻度を減らすための内服薬や、最新の「CGRP関連抗体薬」の定期的な注射。

8. 手術適応

片頭痛に対して一般的に行われる開頭等の外科手術はありません。あくまで保存療法が主流ですが、難治性の場合は、痛みの原因血管へ直接アプローチする低侵襲な治療が選択肢となることがあります。

9. 他治療との比較

治療法 特徴 向いている人
生活習慣改善 副作用がなく基本となる。 全ての患者さん
急性期薬(内服) 痛みを即座に抑える。 月数回程度の発作の人
予防薬(内服/注射) 脳の過敏性を鎮める。 頻回に発作がある人
動注治療(当院) 異常血管を直接処置。 薬が効かない・減らしたい人

10. 当院の治療(STA動注治療)

一般的な内服薬で十分な効果が得られない方に対し、当院では浅側頭動脈(せんそくとうどうみゃく)への動注治療を行っています。

  • 仕組み: こめかみを走る浅側頭動脈へ非常に細い針で直接お薬を届け、異常な血管の拡張や炎症を鎮めます。
  • 安全性: 薬液は頭蓋骨の外側(頭皮の血管)を流れるため、脳内への直接的な影響は極めて低いです。
  • メリット: 治療時間は数分程度の日帰り処置です。薬物乱用頭痛により内服薬を減らしたい方にも適しています。

    ※自費診療片側30,800円

11. 向かないケース

  • 脳腫瘍や脳出血など、脳自体に原因がある「二次性頭痛」の場合。
  • 突然の激痛や意識障害を伴う、緊急性が高い場合。
  • 片頭痛以外の疾患の可能性が否定できない、診断未確定の場合。

12. 治療後の経過

直後の効果

治療直後から異常な血管の拡張や炎症が落ち着き始めますが、安定するまで数週間かかることがあります。

再発予防

安定するまでの間も、生活習慣の改善を並行して行うことで、より高い再発防止効果が期待できます。

13. リスク・副作用

  • 注入時に一時的な熱感や違和感が生じることがあります。
  • まれに注射部位の内出血や痛みが生じますが、通常1〜2週間で自然消失します。
  • すべての方に劇的な効果を保証するものではなく、複数回の処置を要する場合もあります。

14. FAQ(よくある質問)

Q1. 片頭痛は遺伝しますか?

A. 遺伝的な要因があることが知られており、親が片頭痛の場合、お子さんにも現れやすい傾向があります。

Q2. どの年代に多いですか?

A. 20代〜40代の女性に特に多く、ホルモンバランスの影響を強く受けます。

Q3. 治療しないとどうなりますか?

A. 痛みが慢性化したり、鎮痛薬の過剰摂取による「薬物乱用頭痛」を招いたりする恐れがあります。

Q4. 「モヤモヤ血管」とは何ですか?

A. 慢性的な炎症がある部位に増える異常な毛細血管です。これが神経を刺激して痛みを持続させることが分かってきました。

Q5. 痛みが片側だけなら片頭痛ですか?

A. 片側が多いですが、40%程度の方は両側が痛むこともあります。片側であることだけで判断はしません。

Q6. お風呂に入ると楽になりますか?

A. 逆効果になることが多いです。片頭痛は血管が広がると悪化するため、入浴や運動、飲酒は痛みを増強させやすいです。

Q7. 痛いときはどうすればいいですか?

A. 暗く静かな場所で安静にし、痛むこめかみを冷やすのが効果的です。

Q8. 週末に頭痛がくるのはなぜですか?

A. ストレスから解放され、副交感神経が優位になると血管が拡張しやすくなるため、「週末頭痛」としてよく見られます。

Q9. 閃輝暗点(せんきあんてん)とは何ですか?

A. 痛みの前に現れるギザギザした光の残像です。脳の血流変化によって起こる代表的な前兆症状です。

Q10. 片頭痛の前兆は光が見える以外にもありますか?

A. 何度もあくびが出る、肩や首がこる、甘いものが食べたくなるなどの予兆を感じる方もいます。

Q11. 天候や気圧の変化で頭痛が起きることはありますか?

A. はい、気圧の低下は片頭痛の引き金(トリガー)になりやすいです。

Q12. 何科を受診すればよいですか?

A. 脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来のほか、痛みの緩和を専門とするペインクリニックでも専門的なアプローチが可能です。

Q13. 市販薬が効かなくなってきました。

A. 薬物乱用頭痛の初期症状かもしれません。早めに専門医へ相談し、治療方針を見直す必要があります。

Q14. 寝すぎると頭痛がするのはなぜですか?

A. 睡眠をとりすぎるとリラックス状態が続き、脳の血管が拡張しやすくなるためです。

Q15. スマホの見すぎは関係ありますか?

A. ブルーライトの強い光や、姿勢の悪さによる首・肩の緊張は、片頭痛を誘発する引き金になり得ます。

Q16. 検査は当日できますか?

A. 基本的に当日の問診・エコー診察は可能ですが、MRIが必要な場合は提携施設をご案内することがあります。

Q17. 動注治療は痛みがありますか?

A. 非常に細い針(採血より細いもの)を使用するため、チクッとする程度です。

Q18. 動注治療後、すぐに仕事に戻れますか?

A. 日帰り処置ですので可能です。ただし当日の激しい運動や飲酒は避けていただきます。

Q19. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 動注治療は自費診療です。具体的な費用については、診察時に状態を確認した上で詳しくご説明します。

Q20. 一回の治療で完治しますか?

A. 1回で大幅に軽減する方もいれば、生活習慣や体質により数回の処置が必要な方もいます。


監修:福岡ペインケアクリニック院長 坂井 伸彰

(日本専門医機構 内科専門医 / 日本医師会認定 健康スポーツ医)

循環器内科医として培った血管内カテーテル治療の技術を、慢性痛の治療に応用。薬物療法で改善しない「長引く頭痛」に対し、異常血管へアプローチする動注治療も行っている。福岡・長崎を拠点に多くの患者様の診療にあたる。

参考文献

  1. 日本頭痛学会・日本神経学会・日本神経治療学会 監修「頭痛の診療ガイドライン 2021」
  2. 国際頭痛学会 制定「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」
  3. Takeshima T, et al. A Simple Migraine Screening Instrument: Validation Study In Japan. 日本頭痛学会誌.

長引く痛みでお悩みの方はご相談ください

フォームで無料相談する

九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network

福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、
モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME