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有痛性外脛骨

有痛性外脛骨(足の内側の出っ張りの痛み)

有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)とは、足の内側(くるぶしの前下あたり)に余分な骨があり、それが原因で慢性的な炎症と痛みが出ている状態です。

「靴が当たって痛い」「スポーツ後に足の内側がズキズキする」といった症状が特徴で、偏平足の人や活動的な10代〜成人に多く見られます。インソールや安静で改善しない長引く痛みに対し、当院では手術をせずに痛みの原因血管へアプローチする専門的なカテーテル治療を行っています。

セルフチェック

以下の項目に多く当てはまる場合、有痛性外脛骨の可能性があります。

✔ 足の内くるぶしの少し前下がポコッと出っ張っていて、押すと激痛がある

✔ 靴を履くと出っ張りが当たって痛むが、裸足だと少し楽

✔ 足の土踏まずが低く、ベタッとした足(偏平足)である

✔ 捻挫をした後から、内側の出っ張りが痛むようになった

✔ 安静にしている時はマシだが、運動を再開するとすぐ痛くなる

✔ つま先立ちをすると、足の内側に力が入って痛い

【注意:すぐに受診が必要なサイン(赤旗症状)】

足全体が赤く腫れ上がり高熱が出ている場合(感染症)や、転倒直後から足をつけないほどの激痛と変形がある場合(骨折)は、直ちに専門医を受診してください。

症状の特徴

足の内側にある「外脛骨(がいけいこつ)」という骨の出っ張り部分を中心に、局所的な痛みが生じます。

圧痛

足の内側の骨の隆起部(外脛骨)を指で押したり、硬い靴で圧迫されたりすると、飛び上がるような鋭い痛みがあります。

運動時痛

ランニング、ダッシュ、ジャンプなどの動作中や、踏み込んだ際に痛みます。運動後に内側が熱を持ってズキズキ痛むことも多いです。

自然経過と慢性化リスク

① 急性期(発症〜数週間)

運動量が増えた時や靴が変わった時に痛みが出ます。軽症であれば、足に合った靴やインソールへの変更、運動の制限で自然に軽快します。

② 慢性期(数ヶ月〜)

偏平足などの構造的な問題や繰り返しの負荷を放置すると、炎症が骨の内部にまで及び、数ヶ月から年単位で痛みが続く「難治性」へ移行することがあります。

原因:なぜ骨が痛むのか

本来は一つになるはずの骨が分かれたまま残った「外脛骨(日本人の約15%に存在)」が、捻挫や使いすぎ、偏平足による引っ張り力によって不安定になり炎症を起こします。

近年の研究では、こうした長引く痛みの患部(骨の結合部)には、炎症に伴う「モヤモヤ血管(異常血管)」が増殖し、神経と一緒に痛みの原因となっていることが分かっています。

足を横から見て、血管造影でモヤモヤ血管が確認できる

検査・診断

  • レントゲン検査: 外脛骨の有無、大きさ、タイプ(骨の形)を確認します。診断の基本です。
  • 超音波(エコー)検査: 腱の腫れや、炎症による異常血流(モヤモヤ血管)をリアルタイムで確認します。
  • MRI検査: レントゲンでは分からない「骨の中の炎症(骨髄浮腫)」や、腱の損傷程度を確認するために非常に有用です。

間違えやすい似た症状の病気

後脛骨筋腱炎

外脛骨に付着する筋肉の「腱」そのものの炎症です。骨の出っ張りというよりは、腱に沿って足首まで縦長に痛む傾向があります。

舟状骨疲労骨折

足の甲の内側にある骨の疲労骨折です。激しいジャンプや走る動作を繰り返すスポーツ選手に見られ、早期の安静が必要です。

足根管症候群

内くるぶしの下で神経が圧迫される病気です。痛みだけでなく、足の裏や指先に「ジンジンする痺れ」を伴うのが特徴です。

一般的な治療法

保存的治療(生活指導)

まずは局所の安静を保ちます。偏平足による負担を和らげるため、アーチを支えるインソール(中敷き)を作成することが基本となります。

薬物療法・注射

消炎鎮痛剤(湿布や飲み薬)を使用します。痛みが強い場合はステロイド注射を行うこともありますが、頻回な注射は腱を弱くするリスクがあります。

【手術が必要になるケース】
長期間の保存治療やインソールでも痛みが全く取れず、スポーツや歩行など日常生活に著しい支障が出ている重症例では、余分な骨(外脛骨)を削り取る手術が検討されることがあります。

治療法の比較

治療法 目的 メリット デメリット
安静・インソール 負担軽減 基本治療・副作用なし 効果が出るまで時間がかかる
ステロイド注射 一時的消炎 即効性がある 腱が弱くなる・再発しやすい
手術(骨摘出) 物理的原因の除去 出っ張り自体がなくなる 入院や長期のリハビリが必要
日帰りカテーテル治療 異常血管の治療 血管内から直接炎症を減らせる 自費診療

当院の「難治性疼痛」専門治療

安静やインソールで改善しない、でも手術は避けたいという長引く痛みに対し、当院では専門治療を行っています。

運動器カテーテル治療

慢性的に痛む外脛骨の周囲や骨の内部には、痛みの原因となる「モヤモヤ血管(異常血管)」が増殖しています。
当院では、この異常血管を標的としたカテーテル治療を行います。

  • 特徴: 手首などから極細のチューブを入れ、痛みの原因血管へ薬剤を投与する日帰り治療です。
  • 期待される効果: 異常血管を減らすことで炎症を沈静化させ、運動時の痛みや圧痛の改善を目指します。

※本治療は自由診療となります。費用:片側308,000円
※骨の出っ張り(形状)自体を削り取る治療ではありません。

極細カテーテルを動脈内へ挿入し薬剤を投与

よくあるご質問(FAQ)

A. 足の内側(土踏まずの少し上)にある「外脛骨」という余分な骨の周辺に負担がかかり、慢性的な炎症と痛みを引き起こす病気です。
A. 成長の過程で、本来なら一つにくっつくはずの骨が癒合せず、独立した骨として残ってしまうためです。日本人の約15〜20%に存在すると言われています。
A. 骨があるだけでは痛みません。激しいスポーツでの使いすぎ、捻挫などのケガ、偏平足による持続的な負担が引き金となって炎症が起こることで痛みが発生します。
A. はい、あります。10代の成長期に多いですが、大人になってから体重増加や靴の変更、足首の捻挫をきっかけに突然痛くなるケースも少なくありません。
A. 走る、ジャンプする、踏み込むといった動作や、つま先立ちをした時に内側に体重がかかると痛みが強くなりやすいです。また、硬い靴が直接当たるだけでも痛みます。
A. 炎症が強い急性期には、出っ張っている部分が赤く熱を持ち、プクッと腫れることがあります。
A. はい、負担をかけた日の夜や運動直後に、ジンジン・ズキズキとした強い痛みが残ることがあります。これは患部に炎症とモヤモヤ血管が増えているサインです。
A. 痛みを避けるために不自然な歩き方を続けると、足首やふくらはぎの筋肉が緊張して硬くなり、二次的な不調を引き起こすことがあります。
A. 痛い動作を避けて安静にしていれば自然に落ち着くこともあります。しかし、無理に運動を続けると骨の内部まで炎症が進み、難治性になる恐れがあるため注意が必要です。
A. 状態によりますが、初期であればインソール等の使用で数週間〜1ヶ月程度で改善することが多いです。慢性化している場合は半年以上かかるケースもあります。
A. 非常に深い関係があります。土踏まずが低い(偏平足)と、内側に体重が崩れやすくなり、外脛骨に付着している筋肉の腱が常に引っ張られるため発症しやすくなります。
A. 後脛骨筋腱炎は「腱(スジ)」の炎症であり、有痛性外脛骨は「余分な骨とその結合部」の炎症です。併発することもありますが、痛む中心の場所がわずかに異なります。
A. 運動直後などで熱を持ってズキズキ痛む場合はアイシング(冷やす)が有効です。数ヶ月以上続く慢性的な痛みの場合は、お風呂などで温めて血流を良くすることが推奨されます。
A. ふくらはぎやアキレス腱のストレッチは、足への負担を減らすため効果的です。ただし、痛む骨の出っ張り部分を直接強くマッサージするのは悪化の原因になるため避けてください。
A. 土踏まず(内側のアーチ)をしっかり支えてくれるインソールが有効です。靴はかかとが硬く安定しており、患部が直接擦れない素材・サイズのものを選んでください。
A. まずは整形外科や、痛みの専門であるペインクリニックを受診してください。骨の形だけでなく、炎症の程度を正しく評価してもらうことが大切です。
A. レントゲンは骨の形しか写らないため、微細な炎症やモヤモヤ血管は確認できません。長引く痛みにはMRIやエコーによる詳細な検査が必要です。
A. インソールを使わず偏平足を放置したり、急に激しい運動を再開したりすると、再び炎症が起きてぶり返す可能性があります。治療後の足の環境整備が重要です。
A. カテーテル治療は「痛み(炎症の原因血管)」を取る治療であり、骨の形を変えるものではありません。痛みがなくなれば、出っ張りがあっても問題なく生活できるようになります。
A. 局所麻酔を使いますので、傷口の痛みは少ないです。お薬を入れる際に、足の内側が温かくなったり、ジワーンと響くような感覚が生じることがあります。
監修:福岡ペインケアクリニック院長 坂井伸彰
日本専門医機構 内科専門医 / 日本医師会認定 健康スポーツ医

スポーツ選手や偏平足の方を悩ませる長引く足の痛みに対し、モヤモヤ血管を標的とした低侵襲なカテーテル治療を提供している。

参考文献
  1. Okuno, Y., et al. "Transcatheter arterial microembolization for refractory tendinopathy." Journal of Vascular and Interventional Radiology.
  2. 日本整形外科学会 「有痛性外脛骨の症状・原因と治療」

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九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network

福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、
モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。

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