慢性前立腺炎
慢性前立腺炎(長引く会陰部や下腹部の痛み・不快感)
この記事の要点
慢性前立腺炎とは、前立腺やその周囲に炎症が起き、下腹部や会陰部(股の間)などに痛みや不快感が3ヶ月以上続く病気です。
働き盛りの世代に多く、「検査をしても異常がない」と言われることも少なくありません。
前立腺の痛みで気持ちが落ち込む方も多く、前立腺の炎症は減りにくいため泌尿器科も頭を悩ます疾患です。
この長引く痛みには、炎症の原因となる異常血管(モヤモヤ血管)へアプローチするカテーテル治療が有効な選択肢となります。
セルフチェック
以下の項目に当てはまるものが多い場合、慢性前立腺炎の可能性があります。
☑ 股の間(会陰部)や肛門の奥に、鈍い痛みや不快感がある
☑ 長時間デスクワークや運転をしていると、痛みが強くなる
☑ 射精の瞬間やその後に、痛みや不快感がある
☑ おしっこの回数が多い(頻尿)、または残尿感がある
☑ 病院で「異常なし」と言われたが、痛みが続いている
☑ 抗生物質を飲んでも症状があまり変わらない
【注意:すぐに受診が必要なサイン】
- 高熱と激痛: 38度以上の発熱を伴う排尿時の激痛(急性細菌性前立腺炎の疑い)
- 血尿・尿閉: 尿に血が混じる、または全く尿が出ない(がんや尿閉の疑い)
症状と日常生活への影響
疼痛・不快感
会陰部、下腹部、睾丸、陰茎など、骨盤周辺の広範囲に鈍痛や違和感が生じます。
座位時の増悪
椅子に座ると患部が圧迫されるため、デスクワークや運転中に痛みが強くなるのが特徴です。
「いつ痛くなるかわからない」という不安や、性生活への支障から、QOL(生活の質)が著しく低下し、メンタル面への影響も大きい疾患です。
原因と最新の知見
細菌感染が原因のケースはごく一部で、多くは「非細菌性」です。物理的圧迫、筋肉の緊張、ストレスなどが絡み合っています。
最新知見:モヤモヤ血管
近年、治りにくい慢性痛の患部には「モヤモヤ血管(異常な炎症性血管)」が増殖し、それに付随する神経が過敏になることで、痛みを引き起こしていることが解明されています。
前立腺動脈から炎症により造影剤が漏れてモヤモヤと見える
治療法の比較
| 治療法 | 目的 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 内服薬(セルニルトン等) | 症状緩和 | 手軽に開始できる | 効果に個人差が大きい |
| カテーテル治療 | 異常血管の消失 | 長引く痛みに有効・日帰り | 自由診療(保険外) |
当院の専門治療(自費診療)
カテーテル治療(微細血管塞栓術)
薬や生活改善で改善しない難治性の慢性前立腺炎に対し、痛みの元となる炎症血管「モヤモヤ血管」を減らす一時的塞栓物質をカテーテルを用いて前立腺動脈へ投与します。
- 特徴: 手首や足の付け根からカテーテルを挿入する日帰り治療です。
- 期待される効果: 異常炎症血管を減らすことで、局所の充血や神経の過敏状態を鎮め、痛みや不快感の根本的な改善を目指します。
よくあるご質問(FAQ)
A. クラミジアなどがきっかけになることもありますが、慢性前立腺炎の状態自体は細菌感染ではなく、パートナーにうつるものでもありません。
A. 細いサドルは前立腺を直接圧迫し、症状を悪化させます。乗る場合は穴あきサドルを使用するなどの工夫が必要です。
A. 必要ありません。日帰りで行える処置で、所要時間は1〜1.5時間程度です。
A. 効果に個人差はありますが、段階的に効果が出るため複数回治療される方が多いです。
(福岡ペインケアクリニック院長 / 内科専門医)
循環器内科医としての高度なカテーテル技術を慢性疼痛に応用。長引く前立腺や全身の痛みに対し、低侵襲な根本治療を専門としている。
九州ペインケアネットワーク
Kyushu PainCare Network
福岡ペインケアクリニックと、ながさきハートクリニックは、 モヤモヤ血管治療が受けられるクリニックで、同水準の治療とサポート体制を提供しています。


