変形性膝関節症
変形性膝関節症
ひざの痛み・水がたまる・ヒアルロン酸が効かない
立ち上がりの一歩目が痛い、階段が怖い、ヒアルロン酸を打っても効かなくなってきた——そんな膝の痛みが続いていませんか。
変形性膝関節症の慢性的な痛みには、軟骨の摩耗だけでなく「モヤモヤ血管(異常血管)」の増殖が関わっています。当院では、この異常血管を直接ターゲットにしたカテーテル治療(TAME)を行っています。日帰り・局所麻酔で受けられ、手術を避けたい方にも対応しています。
- 長引く膝の痛みは「炎症の慢性化」が原因:軟骨の減りと痛みの強さは必ずしも一致しない
- 難治性の痛みの正体はモヤモヤ血管(異常血管):滑膜や膝蓋下脂肪体に増殖し、神経と一緒に痛みを作り続ける
- 当院の治療はステロイド注射・カテーテル治療:ヒアルロン酸無効例・手術回避希望の方に対応
- 日本の研究では治療6ヶ月後に86.3%が「痛み50%以上改善」の治療成功(Okuno et al., 2017)
- 局所麻酔・日帰り・全身麻酔不使用:80代・90代の方にも対応可能
① 変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、滑膜の炎症・骨棘の形成・骨の変形が生じる慢性疾患です。日本での患者数は推定2,500万人以上とされ、とくに50代以降の女性に多く見られます。軟骨が減ること自体よりも、その結果として起きる「慢性的な炎症」が痛みの主役です。
軟骨の減りと「痛みの強さ」は別物
レントゲンで「軟骨がほとんどない」と言われても痛みが軽い人がいる一方、「まだそれほど悪くない」と言われても歩けないほど痛む人がいます。この違いの多くは、滑膜炎の程度と、モヤモヤ血管の増殖具合にあります。
増殖した神経が痛み信号を出し続ける → ブロック注射しても戻る
当院では、この「モヤモヤ血管」をターゲットに、カテーテルを血管内に通して異常血管を直接塞栓するTAME(経動脈的微細血管塞栓術)を行っています。痛みの発生源そのものを減らすアプローチです。
② 症状・セルフチェック
変形性膝関節症の症状は「動き始めの痛み」から始まり、進行すると安静時や夜間にも痛むようになります。
椅子から立ち上がる最初の瞬間や朝の一歩目にズキッと痛む。数歩歩くと少し楽になるのが特徴です。
階段の上りより「下り」の方が痛い方が多いです。体重がかかる瞬間に膝の内側がズキンと響きます。
滑膜の炎症で関節液が過剰に分泌され、膝が腫れてぱんぱんになります。曲げ伸ばしが固くなるのが特徴です。
炎症が強い時期には横になっていても膝がジンジンと疼く。夜中に何度も目が覚めることも。
膝の内側の軟骨が先に減るため、足が外側に開くO脚が目立つようになります。靴の減り方の変化にも注意を。
正座ができなくなる、膝を90度以上曲げると痛い——関節内の圧力が上がることで痛みが強くなります。
3個以上当てはまる場合は受診を検討してください
- 朝の一歩目や立ち上がりで膝が痛む(始動時痛)
- 階段の下りが特につらい
- 歩いていると痛くなるが、休むと少し楽になる
- 正座ができない、または深く曲げると痛い
- 膝が腫れる・熱を持つことがある
- 膝に水がたまったと言われたことがある
- ヒアルロン酸注射を続けているが効果が薄れてきた
- レントゲンで「軟骨がすり減っている」と言われた
- 夜間に膝が疼いて目が覚める
- O脚が目立つようになってきた
- 「人工膝関節を考えてもいいかも」と言われた
以下は変形性膝関節症とは別の、緊急対応が必要な状態の可能性があります。自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
- 転倒直後から激痛があり、膝に力が入らず立てない:骨折や靭帯断裂が疑われます
- 膝が真っ赤に腫れ上がり、高熱を伴う激痛がある:化膿性関節炎(細菌感染)は緊急処置が必要です
- 突然膝がロックして動かなくなった:半月板の大きな損傷が疑われます
③ 原因
変形性膝関節症の原因は「加齢による軟骨の摩耗」だけではありません。筋力低下・体重増加・過去のケガ・炎症の慢性化など、複数の要因が重なって発症・悪化します。
慢性炎症が続くと、体は修復のために新しい血管を作ります。しかしこの新生血管は正常な血管より脆く、痛みを感知する神経線維と一緒に増殖するため、痛みの「発信基地」として機能してしまいます。超音波(エコー)検査でドプラモードを使うと、血流信号として可視化できます。
④ 放置するとどうなる?
変形性膝関節症は進行性の疾患です。放置すると炎症と変形が互いに悪化し合うサイクルに入り、最終的には歩行困難になるリスクがあります。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)注射は強力な抗炎症作用を持ち、急性の腫れや痛みには非常に有効です。しかし、同じ部位に年4回以上・長期間繰り返し打つと、軟骨や周囲の組織を弱くする可能性があります。「注射で楽になる→また痛くなる→また注射」のサイクルが続いている場合は、根本原因へのアプローチを検討してください。
⑤ 検査
変形性膝関節症の診断には、骨の変形を見るレントゲンだけでなく、炎症・軟部組織・モヤモヤ血管を評価できるMRIや超音波(エコー)検査が重要です。
レントゲンは骨の形と隙間しか映しません。滑膜の炎症・骨髄浮腫・モヤモヤ血管はレントゲンには写らないのです。「異常なし=原因不明」ではありません。超音波(エコー)検査を行うことで、初めて見えてくる原因があります。
⑥ 似た病気との見分け方
膝の痛みには変形性膝関節症以外にも複数の原因があります。正しい診断が治療の第一歩です。
⑦ 治療法
変形性膝関節症の治療は、まず保存療法(薬・注射・リハビリ)を行い、改善が不十分な場合は当院の専門治療(ステロイド注射・カテーテル治療)を検討します。
なぜ保存療法だけでは治らない場合があるのか
湿布・ロキソニン・ヒアルロン酸・整体・サポーター——これらはいずれも「症状を抑える」治療です。慢性化した痛みの発生源である「モヤモヤ血管」には届かないため、炎症が続く限り痛みは繰り返します。
当院の血管内治療は、痛みの根源であるモヤモヤ血管に直接働きかける治療です。エコーで血流を確認した上で、症状の強さ・罹患期間に応じて最適な方法を選択します。
ステロイド注射
(滑膜内注射)
| 方法 | 超音波(エコー)でモヤモヤ血管の位置をリアルタイムに確認しながら、その周囲にステロイド剤をピンポイントで注射 |
|---|---|
| 所要時間 | 処置約5分。当日帰宅可能 |
| 回数の目安 | 2〜3回(2〜3週間に1回) |
| 麻酔・入院 | 麻酔不要・入院不要 |
| 適応 | 炎症が比較的軽症の方 |
カテーテル治療(TAME)
(経動脈的微細血管塞栓術)
| 方法 | マイクロカテーテルを使って患部の異常血管に直接アプローチ。塞栓物質で異常血管を物理的に減少させる |
|---|---|
| 所要時間 | 約40〜60分。当日帰宅可能 |
| 回数の目安 | 基本1回(状態に応じて追加検討) |
| 麻酔・入院 | 局所麻酔・入院不要 |
| 適応 | 広範な炎症、長年の難治性、手術を避けたい方、注射をしてもぶり返す方 |
ステロイド注射・カテーテル治療はいずれも福岡ペインケアクリニック(福岡市博多区中洲)とながさきハートクリニック(長崎市)の両院で対応しています。
このカテーテル治療は、すでにアメリカのFDA(米食品医薬品局)やドイツの医薬品機関で承認・推奨されている治療であり、変形性膝関節症の治療法として欧米を中心に普及が進んでいます。日本でも今後の保険収載を目指し、研究・症例報告が積み重ねられています。
日本の後ろ向き研究(Okuno Y, et al. J Vasc Interv Radiol. 2017)、米国の前向き試験(Bagla S, et al. 2020)、ランダム化比較試験(Padia SA, et al. 2021)など複数の研究で有効性が報告されています。
※ カテーテル治療の効果は治療直後からではなく、異常血管が減少するにつれ1ヶ月後・3ヶ月後と段階的に痛みが軽減していくのが特徴です。米国の前向き試験ではWOMACスコア(膝の機能面)も1年後に約60%改善。米国2022年の報告では6ヶ月後の臨床効果は80〜86%で、軽〜中等度(KL1〜3)ほど効果が高く、効果は24ヶ月以上持続、保存的治療(NSAIDs・ヒアルロン酸注射など)の使用頻度も大幅に減少しています。効果には個人差があります。
エコーでモヤモヤ血管を確認しながらピンポイント注射
深部・広範囲・長年の重症例・手術を避けたい方にも対応
※ エコー評価の結果と症状に応じて、医師が最適な治療を提案します。強制はありません。
痛みの血管内治療は全て自由診療(保険適用外)です。ただし、確定申告における医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書は大切に保管してください。なお、カテーテル治療は日帰り手術として民間生命保険の給付対象となることがあります。ご加入の保険会社にご確認ください。
- 化膿性関節炎(感染)が疑われる場合——感染の治療が最優先です
- 造影剤アレルギーの既往がある場合——事前にご相談ください。前投薬で対応できるケースもあります(カテーテル治療)
- 重篤な腎機能障害がある場合——造影剤の使用が難しいことがあります
- 末期の変形で骨が完全に融合し歩行不能な場合——人工関節置換術の適応を検討します
- 血液凝固異常・抗凝固薬の中断が困難な場合——個別に判断します
⑧ 一般整形外科との違い
整形外科は変形性膝関節症の骨・関節的な診断や保存療法を得意とします。一方で、慢性的な滑膜炎・モヤモヤ血管への介入は専門性が求められます。
「ヒアルロン酸注射を続けているが効果が薄れてきた」「整形外科で手術しかないと言われたが踏み切れない」「長年の膝の痛みで旅行やゴルフを諦めている」——そのような方が当院の最も得意とする患者層です。
「レントゲンでは問題ない」「ヒアルロン酸が効かなくなった」——そんな方ほどエコーで異常血管が見つかるケースがあります。初診でその場で確認できます。
⑨ 治療実例
当院で実際にカテーテル治療を受けられた変形性膝関節症の患者さんの経過を、症例ブログで詳しく紹介しています。
※ 掲載内容は当院で実際に行った治療の一例です。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
⑩ よくあるご質問(FAQ)
患者さんから多く寄せられる質問にお答えします。
⑪ まとめ
- 変形性膝関節症は軟骨のすり減りだけが問題ではない——慢性的な滑膜炎とモヤモヤ血管の増殖が、頑固な痛みを作り続けている
- レントゲン・MRIの所見と痛みの強さは必ずしも一致しない——「骨は問題ない」と言われても、エコーでモヤモヤ血管が見つかることがある
- ヒアルロン酸・保存療法で改善しない場合、次の選択肢がある——ステロイド注射・カテーテル治療(TAME)は炎症の鎮静・根本治療にアプローチする
- 日本の研究では治療成功率86.3%、3年後も約8割が効果を維持——日帰り・局所麻酔・翌日から生活復帰が可能
- 「人工関節しかない」と言われた方も一度ご相談を——変形の末期でも痛みを軽減できるケースがある
- 福岡・長崎どちらでも受診・治療が可能——LINEからの無料相談に対応しています
- 旅行もゴルフも、諦める前にもう一つの選択肢を——痛みが軽くなれば、生活の質は大きく変わります
ヒアルロン酸を繰り返してきた。痛み止めを飲み続けても翌日には元通り。そのサイクルから抜け出すために、ステロイド注射・カテーテル治療は日帰り・局所麻酔で、モヤモヤ血管の発生源に直接アプローチします。
翌日から通常生活が可能。旅行やゴルフを再開できた方も多くいらっしゃいます。
日本専門医機構認定内科専門医 / 日本医師会認定スポーツ健康医
循環器内科医としての血管治療技術を応用した「痛みの血管内治療」を専門とし、2,500例以上の血管内治療を経験。変形性膝関節症・膝滑膜炎を含む難治性疼痛に対して地元九州で動注治療・カテーテル治療を行っている。
- 日本整形外科学会 診療ガイドライン委員会 編.変形性膝関節症診療ガイドライン2023.南江堂.
- Okuno Y, et al. J Vasc Interv Radiol. 2017;28(7):995–1002.
- Bagla S, et al. J Vasc Interv Radiol. 2020;31(7):1096-1102.
- Padia SA, et al. JBJS Open Access. 2021;6(4):e21.00085.
- Taslakian B, et al. Osteoarthritis Cartilage. 2023;5(2):100342.
- Heller DB, et al. RadioGraphics. 2022;42(1):289–301.
- 日本整形外科学会 診療ガイドライン委員会 編.変形性膝関節症診療ガイドライン2023.南江堂.
- Okuno Y, et al. Genicular artery embolization for treatment of knee osteoarthritis pain: Systematic review and meta-analysis. Osteoarthritis and Cartilage Open. 2023.
- Torkian P, et al. Genicular artery embolization for treatment of knee pain caused by osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. Cardiovasc Intervent Radiol. 2021.
- Landers S, et al. Genicular artery embolisation for knee osteoarthritis: A multicentre randomised controlled trial. NEJM Evidence. 2024.
- 厚生労働省.「統合医療」に係る情報発信等推進事業.変形性膝関節症.


